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第270話 真の試練Part25






「どさくさに紛れて後ろから抱きつくんじゃないよ………」


 通学路の住宅街、真美は冷静な姿勢でツッコミの一言。


「だって、せんぱいの身体、抱き心地が良いんですよぉ~〜~。このツンツンとした仕草と汗臭さが交わって…………せんぱい、私に会う時は風呂に入らないで来てくれますか?」


 絵葉えばは興奮気味に主張し、背後から真美の抱き締めてきやがる。指で頬をツンツンしていたら興奮し、そして今日の汗臭さにより興奮し、一線を超えてしまい、こうなった。


 タメ息を吐き、真美は呆れた表情を浮かべながら………。


「するわけないでしょ………アンタ、性癖がめちゃくちゃ歪んでいるわよ?」


 真美はツッコミの一言でチョップ。コイツ(えば)相手に気を取り乱してしまえば、負けだ。


「私がもし、男だったら………」


 興奮し、ポタポタと鼻血を出す絵葉えば


「アンタが男なら、私は問答無用で通報する。アンタはアレよ、変態の塊よ………」


「せんぱい、変態とは失礼ですよ………芸術的な性格と訂正してくださいっ」


「全ての芸術家に謝りなさい。そしていつまで揉んでいるつもりなの?」


 真美はキッパリと尋ねる。


「良いじゃないですかぁ~~~女の子同士なんだからぁ………」


「女の子同士って、まったくアンタは………」


 全然言うことを聞かない絵葉えばに、呆れた表情の真美。

 

───すると、しばらく歩いていたら空からポツポツと水滴が落ち、地面が灰色に染まり始め………。


「あれ、雨が降ってきたわね………」


 真美は空を眺め、口を開く。今日の天気予報は晴れのち雨、降水確率は20パーセントだった。予報士からは夕立に注意と言っていたかな………。


「せんぱい。とりあえず、雨宿りにしましょう」


 絵葉えばは真美を解放し、近くにある神社の正門の下に向かって走る。次第に激しく降り注ぐ雨、まるで台風のような豪雨にまで発展する。


 2人は並んで雨宿りをし、絵葉えばは雨空を眺める。


「凄い雨ですね?」


「夕立ちだから、すぐに止むと思うけど………」


 真美はバックからタオルを取り出し、雨水で濡れた髪を拭く。髪だけでなく、制服も濡れている。


 すると絵葉えば、真美の濡れた制服を見て………。


「せんぱい、制服がスケスケですよ。いやぁ〜〜眼福眼福………」


 絵葉えばは、雨水で透き通った真美の制服姿に興奮気味になり、息を荒々しくなる。


「変な目で見るんじゃないの。またアンタは変な所で興奮して………」


 真美は恥ずかしい表情で濡れた制服から透き通る下着を隠す。雨水で髪や全身は濡れ、気持ちが悪い感触である。


───その後、天気は晴れて雨は過ぎ去るのである。

 

 



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