第269話 真の試練Part24
───私は、考え事をしていた。あの夢の事を………あんな現実離れした光景、行った事もないし見たことないのに何故か見覚えがある景色に戸惑いを隠せない。もちろん、家族やその知人達と外国に旅行にすら行った事はない。まるでゲームやアニメ、マンガのような光景であり、立ち向かう戦士や仲間達、そして立ちはだかるデカい悪魔。現実離れしていて不気味だ。
精神的か何かの病気か………しかし、それを病院で詳しく伝えたら、頭オカシイ人に思われて怖い。
「考え事ですかせんぱい?」
「考え事をしている時に、人の胸を横からツンツンするんじゃないよ」
横から絵葉に人差し指で胸をツンツンされ、ふと正気に戻った真美は冷静な姿勢で言う。そう言えば、今は学校の帰りだった。場所はいつもの住宅街の通学路、すると絵葉は企みある表情で真美を眺め………。
「スキだらけのせんぱいを見ていたら、ついついツンツンしたくなってぇ〜〜〜」
興奮気味な言葉で真美を眺め、両人差し指を陽気に突きだす。
「アンタは興奮するんじゃないの」
冷静な姿勢の真美は、ツッコミの一言。
「ほら、ツンツン………」
「こら、くすぐったいじゃない?」
絵葉に身体をツンツンされる真美。
「ほら、ツンツン。ツンツン………」
真美をツンツンし、イタズラをする絵葉。
「ちょっと、やめなさいって」
恥ずかしい表情、軽く逃げ惑う真美。一方の絵葉は興奮した様子でせんぱいの真美をツンツンし、(待て待て)と、通学路を追いかけ回す。
───すると、後ろの電柱の影から2人を良くない表情で眺める3人組。制服姿、同じ学校らしい。
「何かさ………アイツ、見ていて気に入らないと思わない?」
茶髪、ボリュームあるフワフラヘアーの女子は何気なく言う。名前は竜崎良子。
「私も思う、1年のクセにうるさいって前から思っていた」
黒髪ロング、額がシンボルの女子も腕を組み、同じ意見。名前は松田由紀恵。
「少しさ………調子に乗っているみたいだし、この前アイツの弁当をゴミ箱に捨ててやったのに、全然大人しくなっていないから、懲らしめる?」
ヘアピン、マスカラ、色黒の化粧肌が特徴的な金髪ショートの女子、竹田奈緒は皆に尋ねる。竹田奈緒の質問に、皆は(賛成)と了解し、企てる。竜崎良子と松田由紀恵、竹田奈緒は2年生であり、山瀬真美と同じクラスである。しかし、彼女らは評判は最悪、気に入らない子がいたら(懲らしめ)と言う名の行為でターゲットを痛めつける。最悪、彼女達の(懲らしめ)により、不登校になった被害者も何人かいる。
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