第267話 真の試練part22
(……………)
真美はプンプンな表情を浮かべ、絵葉から視線を反らし、不機嫌な表情で腕を組む。
調子に乗りすぎた絵葉。真美の怒りを買い、しばかれたのだ。しばかれた頭を両手で押さえ、絵葉は反省した声を出す………。
「せんぱい。すいません、この中谷絵葉は調子に乗りすぎました………」
絵葉は冷静な姿勢で謝る………。しかし、それでも沈黙する真美。
「せんぱい、まだ怒ってます?」
絵葉の言葉。しかし沈黙する真美。
「せんぱい?」
絵葉はウルウルな瞳でジィ~~と見つめ、尋ねる。
こんな瞳に見つめられたら私………。絵葉のウルウルした瞳に、真美は思わず頬を赤くして口を開くのである。口には出せないけどかわいい。
「………怒ってないから、それもアンタも良さだから。嫌いじゃないから………」
真美はデレながら絵葉の頭をヨシヨシと撫でる。
「じぃ〜〜〜?」
絵葉は真美を眺める。
「何よ?」
「やっぱりかわいいですっ。もう、ガマン出来ませんっ!!」
「コラ、アンタはそうやって抱き付くなってのっ!!」
やっぱり抱きついてくる絵葉に、真美は頬を赤くし、困惑。
「せんぱぁ~~~い。今日は少し汗臭いけど、スリスリさせて下さぁ~~~い」
絵葉は真美に抱きつき、頬にスリスリする。
「もう、アンタは………離れなさいって」
真美は絵葉を引き離そうとする。汗臭いのは余計、体育の授業かあって汗を流したので仕方ない。
★★★★★★
「ごちそうさまでした………」
しっかりとした姿勢を整え、両掌を合わせる絵葉。
「アンタ、それは何のごちそうさまなの?」
腕を組んで尋ねる真美。
「私の心に渇いていたせんぱい分がしっかりと蓄える事が出来たからですっ」
「せっ………せんぱい分?」
………と、絵葉のエキセントリックな言葉に、さらに困惑する真美。せんぱい分?またコイツ(えば)はおかしなギャグを言い出したな。と、呆れるのである。
「せんぱい分は、私自身に行き渡る元気の魔力です。朝はせんぱいに抱きついて元気を蓄え、昼もせんぱいに抱きついて元気を蓄え、そして夜もせんぱいに抱きついて元気を蓄えて………」
ペラペラと語り出す絵葉。
「私、便利な栄養分なんだね………」
と、苦笑い。
「興味ありますか?」
「キキタクアリマセン………」
絵葉は何やら説明しようとしたが、真美はキッパリとカタコトな言葉で断る。何故なら面倒くさいからだ。
「そんな事を言わずにぃ~~~ねぇ?」
絵葉は蛇のようにスリスリとした動きで真美の身体に抱きついてホッペをツンツンする。
「ホッペを突くんじゃない」
真美はツッコミの一言。
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