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第264話 真の試練Part19





「そうですね、私はですね………」


 住宅街の通学路。絵葉えばは腕を組み、考える。いま話している内容、それは劇場版アニメの(魔法図書館の妖精少女)のラストシーンだ。


「私的には、あの女性はむかし疎遠になった恋人なんじゃないかなと思うのよ?」


 真美は言った。すると真美の意見とは反対に、絵葉えばは答える………。


「せんぱい、意見は分かれましたね?アレは多分、ヒロインのエレインだと思うんですよ。消滅した後、転生して主人公の前に現れたと………」


 絵葉えばの意見に、真美は現実的な考えで主張する。


「その答えは無いかな………だって現実的に考えたら、転生して2年の間に主人公と同じ年齢まで育つのは不自然じゃない?」


「せんぱい、あのラストシーンに現れたのは声のみ。誰も姿は子供や大人だと描いていませんよ」


 絵葉えばは言った。


「どういう事?」


「エレインは、消滅後に人に転生して記憶を引き継いだ形の幼女の姿になって主人公の前に現れた。と、私は推測します」


「そんな意見もアリかも知れないね。あえてラストシーンは声だけを写して、視聴者に色々な意見を引き立てる。あ、でもラストシーンの声優はヒロインと同じで少し無理矢理な感じはあるけど、アンタの意見は当たっているのかも………」


「でも、せんぱいの意見も無理もありませんよ。声優がヒロインと同じでも、違うキャラだって事もありますよ」


「そうね………あのラストシーンはやっぱり、原作者の狙いかな?」


「様々な意見を視聴者に考察させて、それぞれの見方で想像を引き立てる。原作、アニメ共々に名作ですね………」


 絵葉えばは頷き、納得する。


「私は特にヒロインのエレインが消滅して、主人公が泣き叫ぶシーンは作中のBGMと合わさって、思わずハンカチが手放さなかったわ………アンタはどうなの?」


「え、せんぱいって涙を流すのですか?少し意外ですね………」


「どーゆー意味よ?」


 真美はムスッと尋ねる。


「だって、せんぱいは感情が薄くていつも私にチョップしてツッコミを入れる性格をイメージしていたので………」


「それは、アンタがいつもエキセントリックな言葉を言うから………」


「エキセントリックって………私のどこがエキセントリックだって言うんですか?」


「アンタはいつも、私と話すとき、ああっ………。って、そーゆー所よっ!!」


 いきなり耳元にフゥ~と息を吹き掛け、溺愛してくる絵葉えばに真美はツッコミの言葉。全く、この子に油断もスキもない。母にも言われた(表情が明るくなった)と………。原因は、コイツ(えば)だって………。



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