第261話 真の試練Part16
真美と絵葉は、アーケード街にあるゲームセンターにいた。店内は帰りの学生達がちらほらいて賑わい、店内に並ぶ各アーケード機器から流れるBGMが響き渡る。
ゲームセンタに行くのは、いつ振りだろう?。思い出したくもないあの子と行った時くらいだ。
「せんぱい、UFOキャッチャーをしましょう」
絵葉はUFOキャッチャーに挑戦。そして100円の硬貨を投入。中にあるぬいぐるみマスコットを狙う。
「頑張りなさい………」と、真美は影から応援。
───そして。
「ゲットっ」
絵葉はクマのぬいぐるみマスコットをゲットした。
「すごいじゃない」
真美は拍手。
「次は、せんぱいの番ですよ」
「ま、やってやるわよ」
やる気はないけどやらされる流れになる。真美は100円硬貨を投入して、挑戦する。キャッチャーはクマのぬいぐるみを捕まえ、ユラユラと投入口に向かおうとした途中………真美は失敗し、ぬいぐるみが落ちた。
「残念でしたたぁ………」と、絵葉はクスクスと笑うのである。
別に………悔しくはない。中のクマのぬいぐるみも、そんなに欲しい物はなかった。
「次は、これで勝負しましょう。やっぱり勝負は格ゲーでしょ?」
絵葉はファイティングポーズをとり、シャドーボクシングをして拳を放って素振り。
「良いでしょう」と、真美は承諾。
UFOキャッチャーの次は格闘ゲームのアーケードだ。真美と絵葉は隣に座り、勝負。ゲームには自信はあるから負ける気はしない。
そして………。
絵葉が操作しているキャラクターがフィニッシュを決め、勝利。
「私の勝ちです〜〜〜。せんぱい、私に勝つのはまだまだですね?〜〜〜」
絵葉は喜ぶ。お互い接戦で良い勝負だった。
次はレースゲーム、真美は絵葉にリベンジを果す為、奮起する。
結果………。
「これは私の勝ちね」
勝利したのは真美。
「ふむ、せんぱいにしてはなかなかやりますね」
これにて1勝1敗。
「せんぱい、次はプリクラを撮りましょう」
絵葉は言った。
その後はプリクラに足を運び、ボックスに入る2人。100円の硬化を投入し、起動。
「せんぱい、もっとくっついて下さい。映らないですよ」
グイグイと横顔を合わせる絵葉。
「くっついてるって、くっついてる………」
絵葉の勢いに、真美は恥ずかしい表情。
3、2、1………。と、シャッター音が起動。
「う〜〜〜ん、よく写っていますね。せんぱい、ぎこちない表情がどことなくかわいいですね」
絵葉はプリクラ写真を持ち、眺める。
「かわいいって………アンタがあんなにくっつかれると、誰にだって」
「せんぱい?私にひっつかれて、ちょっと意識してしまいましたか?」
「してません、私にそんな趣味はありません」




