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第259話 真の試練Part14





 

「せんぱい、ごちそうさまでした………。弁当、めちゃくちゃ美味いかったです」


 絵葉えばは礼儀正しく頭を下げる。


「次は、気をつけなさいよ………」


 真美は、購買で買って来たやきそばパンを食べながら絵葉えばの頭をヨシヨシと撫でる。まぁ、自分の弁当は無くなり、おかげでやきそばパンでランチを済ませる事になったが、悪い気はしない。親切な事をした為、私はそれだけでお腹がいっぱいである。


「せんぱい、デザートは?」


「あるわけないでしょ」


 真美は言った。


「もしかして………せんぱい自身がデザートになって、私に召し上がってくださ〜〜いと?」

 

「アホかっ」


 両手を広げて襲いかかろうとする絵葉えばに対し、真美はチョップしてツッコミの一言。


「や~〜〜ん。せんぱいの、い・じ・わ・る………」


 絵葉えばはチョップされた頭を押さえ、ウルウル瞳で見つめる。


 全くこの子は………。絵葉えばのエキセントリックな接し方に、真美は自然とツッコミの一言を入れてしまう。私は心の中で再度、祈る。この子に友達が出来ますように………と。この子はまだ1年生であり、時期は新学期。まだクラスの雰囲気に慣れていないから、この子の性格上ではいつか多くの友達が出来るだろう。そうなれば私も嬉しいし、巣立って行った親ツバメのような感じだ。


「何を考えているんですか?せんぱい?」


「何でそんなに近いの?」


 至近距離で見つめてくる絵葉えばに、真美は冷静に尋ねる。


「だって~〜〜。せんぱい、たまに口を開かなくなって、違う所を見ているから、つい」


「ついって………アンタが喋りかけて来るから。それに私はあまり、アンタと違ってお喋りな性格ではないし………」


 真美は言った。すると絵葉えばは………。


「せんぱいって何か………」


「私が何か?」


 絵葉えばは真美をジロジロと眺めて………。


「かわいいです。私から見ていて、ついからかいたくなってしまいます。抱きついてもいいですか?」


「暑苦しいから止めて」


 真美はきっぱりと言った。


「またまたぁ~~~………」


 絵葉えばは企みある姿勢で見つめる。


「アンタのその姿勢が怖いんだけど?」


「大丈夫ですよ。私は怖くはありませんよ………あ、せんぱいの肩に虫が………」


「あ、忠告ありが………」


 真美は肩をパンパンと払う。


「スキありッ!!」


 食らいつくように抱きつく絵葉えば


「コラ、絵葉えば。止めなさい暑苦しいってっ」


 真美は引き離そうとするが、離れない。意外にも腕力が強くて抵抗出来ない。その次、軽く自分がしているゲーム、ラノベ、マンガやアニメについて話をする。そして連絡先を交換するのである。

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