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第258話 真の試練Part13





(ハァ…………)


 教室に入り、机に伏せる真美。朝から変なテンション、あの子はよく喋るから疲れる。馴れ馴れしく頭を撫でてきたり、下顎を撫でてきたり、こんな人見知りの先輩を何だと思ってるんだ。と、心の中で呟く………。


 けど、あんなに喋ったのは久しぶりだ。良い気分か、嫌な気分か。どちらかと言えば………ダメだ何とも言えない。


───どうせ、あの子はコミュ力が高いから私にすぐに飽きて別の友達を作ってそちらに向う。それまでの辛抱だ………。そうなれば、またボッチ生活に戻るだけだ。


 そして朝のHRホームルームのチャイムが鳴り響き、生徒達が着席する。


「はい、おはようございます」


 ふらっ………と、ドアを開いて教室に入る先生は挨拶し、今月の行事や色々な事を話すのである。


 ★★★★★★


 1限目は国語、先生がいつものように授業をし、説明をしつつチョークで内容を黒板に書くのである。


 私は授業の内容をノートに書きながら窓の外に広がる光景を眺める………。


───せんぱい?せんぱい?


(早く友達が出来れば良いね………)


 頭の中に響き渡る絵葉えばの声を払い、真美は窓の外を眺め、祈る。何故なら私とはあまり関わらない方が、あの子の為であるからだ。


 1人の方が気は楽だ………。1人なら裏切られないし、傷つく事はないし、何より………1人なら苦しい思いをしなくて済むからだ。


 ★★★★★★


 そして昼時間、私(真美)はいつものランチスポットの学校の屋上に移動し、いつものボッチのランチを楽しむハズだった…………。


「せんぱぁ〜〜い、私から逃げられると思ってましたか?」


 隣には絵葉えばが一緒にいた。屋上に向かう途中、コチラの考えを先読みしていたかのように………絡まれ、そして一緒にランチになる。


「アナタと私は、そんな仲に発展したっけ?」


 真美は包みを広げ、弁当のフタを開ける。


「気にしない、気にしない………。さて、私も弁当を………アレ?」


 絵葉えばはカバンから弁当を取り出そうとするが、無い。


「どうしたの?」と、真美。


「アハハハハ………いつものアレですね。私、弁当無いや………」


 うっかりと、頭をポリポリする絵葉えば


「忘れたの?」


「持って来たんですけど………」


「アタシのあげるわ、ホラ………」


 真美は自分の弁当を差し出す。ちなみに私は困っている人がいたら、自分の身を捨てて助ける性格である。


「うわ、ありがとうございますぅ〜〜〜」


 絵葉えばは遠慮なく弁当を受け取り、パクパクと食べるのである。


「私は、購買のパンを食べるから。アナタは私の弁当を食べなさい………」


 真美は言った。


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