第257話 真の試練Part12
───次の日、私(真美)はいつもの住宅街の通学路を歩いていた。昨日の中谷絵葉は同じ高校であり、どの通学路を歩いて来るか分からない。とりあえず登校しながら探すとしよう。または2年の各教室に行って呼ぶ方法もあるが、わざわざ下級生の教室に向かってお礼だけを伝えるのは、理由が小さ過ぎて嫌だ。
決して彼女と色々と話したい訳ではないから………ただ常識としてお礼を伝えるだけ。それで終わり、以上。
★★★★★★
しばらく登校している途中、私(真美)の隣に………。
「せんぱぁ〜〜〜〜いっ」
探す手間が省けた。登校していたら途中で彼女が現れ、馴れ馴れしく抱きついて来て真美の頬をスリスリしている。
「アナタは朝からテンション高いですね?昨日はそんな感じじゃなかったけど?」
抱きつかれる立場にある私(真美)は、取り乱す事はせず、冷静に尋ねる。
「それはアレですよ。昨日の私は仮の姿、本当の私はいつもテンションが高く、そして先輩にセクハラする為にこの世に降臨した………」
真美は絵葉の額を押さえつけ………。
「止めなさい………朝から暑苦しい………」
誘惑なメガネを光らせ、両手を掲げて襲いかかろうとする絵葉を、冷静な一言で止める真美。
しかし、絵葉は懲りる様子もなく………。
「せんぱ〜〜〜い、本当は寂しがってるクセに………」
絵葉は真美のホッペを陽気にツンツンする。
「寂しがってないから………」
真美は冷静に否定する。正直、こんなテンションで接して来るからどう対処していいか困惑している。
「またまたぁ〜〜〜」
真美の頭を猫のように頭を撫でる絵葉。
「撫でるんじゃない………」
真美は一言。
「それじゃあ………ここはどうですかぁ?」
次に絵葉は、左手を上げて真美の下顎をくすぐるように撫で回す。
「下顎を撫でるんじゃないよ。私は猫ですか?」
冷静な表情を浮かべ、真美はツッコミの一言。
「先輩は猫と言うより………」
「猫と言うより、何ですか?」
真美は尋ねる………。
「う〜〜〜ん………」
絵葉は真美を眺め、どんな動物か考察するのである。先輩をネコ以外の動物に例えたら………。
───1分後、絵葉は閃き、口を開く。
「先輩は猫と言うより、猫に捕食される小動物のような感じですかね………」
「小動物って………」
真美は思わず自分を、ちゅ~ちゅ~と鳴き声を響かせるネズミの姿に思い浮かべしまう。
「そして私は、先輩を美味しく頂こうとする肉食動物。ガオ~〜〜〜って…………」
絵葉は、ネズミに例えた真美に大きく両手を広げ、襲いかかる体勢。
「バカ………」




