第253話 真の試練Part8
次の日、真美はいつものように住宅街の通学路を歩いていた。この時間帯には小中高学生や社会人が多く行き交い、1日がスタートする。そして今日は新入生にとって新学期の記念すべきスタートだ。
通学路を歩いている途中、私(真美)はふと思い浮かべる………。
(アニメの方も見たくなったから借りてこよう………)
真美は軽く決めた。今日の学校帰り道に近所のレンタルビデオ店に足を運び、DVDを借りてくる事にしよう………。
おはようございます。
うむ、おはよう。
───そして学校に到着し、校門前にいる先生に挨拶し、それから愛着のない教室に入る。元気に先生に挨拶をしている仲良し組の生徒達、私にとってはどうでも良い光景である。友人関係なんて、かえって面倒くさいだけだ。
★★★★★★
朝のHR。それが終れば1限目は数学、教壇に立つ先生が授業を行い、黒板にコツコツとチョークで書く音が教室に響き渡る。
すると先生が黒板に数式を描き………。
「よし山瀬、この公式を解いてみてみなさい」
先生は指摘。
「はい、その公式は………」
私(真美)は席から立ち上がり、スラスラと数式を答えていく………。こう見えも私、勉強はある程度は出来る方である。
それから授業は進み、そして………。
───授業終了のチャイムが校内に響き渡り、先生は教室から退室するのである。
休み時間、とはいっても15分。その間は次の授業に備えて準備するのであるが、大抵の生徒達は仲良く喋っている。チャイムが鳴って、先生が来たら席に着席するのがほとんどである。
休み時間終了のチャイムが鳴り響き、2限目は歴史の授業が行われる。
「はい、席に着いて下さ~~い」
教室に入って来た先生が教壇に立ち、先生の言葉に続くように教室の生徒達がゴチャゴチャとした動きはしているが着席し、授業が開始。
───そして、先生が歴史を説明しつつ、チョークでそれを黒板に書いて授業を進めていく…………。
私(真美)は授業の内容をノートを書きつつ、窓の外を眺めながら思い浮かべていた。
(何だろう?………何か思い出さなくてはいけないモノが………)
私(真美)はその(何か)を思い出そうするが、どうしても思い出せない。一体、何の思い出なのか、ノドの奥に孕んでいて、出てこない。
窓の外では他の生徒達が体育の授業をしており、聞いていて眠たくなる歴史の授業より、色々と変化の激しい外の光景を見ている方が、面白い。
ゲームのやり過ぎかな………。人間、よくある事だ………思い出せない(何か)はいくらでもある。私の場合、夢と現実の区別が少しついていないだけだ。




