第250話 真の試練Part5
(結局、買ってしまった…………)
本屋を出て、真美は買ったラノベ小説を手に持ってアーケード街を歩いていた。作品の題名は(魔法図書館の妖精少女)だ。アーケード街を賑やかに行き交う学生達。このなかよしな光景を羨ましいか?と尋ねられらそうでもない。何故なら友人関係は、もういい………。
作品のストーリーは、閉館寸前の魔法図書館に訪れた主人公の青年が、図書館に昔から住んでいる妖精少女との恋愛を描いた物語である。巻数は1巻で終わる為、気軽に読めそうなので買った。
(友人なんて、関わるものではないな………)
そう頭に思い浮かべながら歩く真美。友人と一緒に楽しむより、1人でいた方が楽だ。何故なら裏切られる事がないから、友人関係なんて時間が経過すれば自然と消滅するだけだ。
───途中、喫茶店から出てくる少女。茶色のキノコ髪、誘惑的なメガネを着用。真美と同じ高校の制服を着用した女の子である。
(ジロリ…………)
桃色キノコヘアーの女の子は、真美を興味深く見つめる。
(少し小腹が空いたな………)
真美は何気なく行き違うように女の子の前を通り過ぎるのである。これから家に帰ってからゆっくりと読むとしよう………。その前に腹ごしらえにしよう、適当にファストフード店かコンビニ、ファミレスにしようかな………。
ブラブラと帰路につく真美は考える。もしくは、喫茶店にしようかな………。気分はエビピラフとサラダ、コンソメスープ。シメの飲み物はアイスコーヒーだ。
そして…………。
───真美は喫茶店の食事をする。場所は住宅街の通学路沿いにある喫茶店。
真美はテーブル席に座り、カバンからスマートフォンを取り出し、検索。
(OVAのDVDになっているんだ………)
真美はスマホを眺め、画面に映るのはラノベタイトル作品である(魔法図書館の妖精少女)。ネットで作品の批評を調べていたらアニメ化しており、評価も悪くない。
そして、店員を呼ぶ真美………。
「ご注文を伺います」
店員が真美の座るテーブル席に駆け付け、注文を承る。
「エビピラフセットを1つ」
真美はメニュー表を広げ、店員に注文した。店員は(かしこまりました)と言って立ち去る。
───十数分後…………。
真美のテーブル席には例のエビピラフセットが到着。セット内容はエビピラフとサラダ、コンソメスープの3つである。
「すいません、アイスコーヒーもお願いします」
真美は注文。
そして食事を済ませ、シメのアイスコーヒーを飲んでから喫茶店を後にする。家に帰ってから買った例のライトノベル小説を読む事にする。




