第248話 真の試練Part3
オハヨーーっ!!
生徒達の朝の挨拶による活気な声が響き渡る。様々な会話内容が行き交い、どれもかしこもどうでも良いモノばかりだ。
(朝から元気な人達ね………)
私(真美)は空気のように、生徒達を眺める。
またいつものように住宅街の通学路を歩いて進み、多くの生徒達が校門を潜る。校門前には生徒指導の先生が迎え、挨拶する生徒や挨拶をしない生徒。普通に歩いて校門を潜って来る生徒、まだHRまで時間があるのに何故か走って校門を潜って来る生徒。
そして制服の袖、襟、裾先がダボダボの生徒は新入生であろう。カチカチな緊張感、様々な希望や不安を胸に抱いて校門を潜るのである。上級生の私なら新入生に一言に掛けるセリフ、それは頑張れ………と、伝えるだろう。この(頑張れ)をどう捉えのは、それは人それぞれだ。
おはようございます………。
うむ、おはよう。
───まるで機械のように………。私(真美)は先生に軽く挨拶し、挨拶を返す先生。いつものように校門を潜るのである。
★★★★★★
そして2年生となった私(真美)は新クラスの教室に入り、窓際のイスに座る。まるで今の私(真美)の雰囲気は空気、だーれも話し掛けて来ない。窓際は好きだ、教室の窓から日常の景色を眺められて、何処かおもしろい光景を見れるからだ………。
歩道では散歩する人や、道路を行き交う車、校庭で体育の授業をしているクラスの光景。
(ふぅ………)
無気力な様子で私(真美)は机に伏せ、窓際から外を眺める。季節は春、心地良い気温が全身に行き渡り、眠気が復活する。ああ、このまま吸い込まれてしまいそうだ………。
ミツ……ケ……テ………ワタシを………。
(ん?………誰だ?)
私(真美)の耳に微かな声が響き渡り、思わず上体を起こして教室を眺める。誰か私を呼んだのだろうか………。しかし空気みたいな音なので気にする必要はないな………。ゲームのやり過ぎで、空耳が引き起こったのだろう。
教室中、生徒達の会話の声が活気に満ち、響き渡る………。ちなみに私(真美)は会話に参加せず、黄昏れている。
───ガラッと教室のドアが開く。
はい、席について下さい………と、挨拶をして入って来たのは新任の先生。そしてクラスの生徒達は先生の言葉を聞き入れ、一斉に席に着席する。
まずは軽く先生は挨拶し、これから入学式を行う為、体育館に向かうのである。
───そして、体育館にて入学式が行われ、校長先生の挨拶をしてから元の教室に戻るのだった。今日は入学式の為、学校の下校が早いからラッキーだ。
さて、この後はどうしよう………。




