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第247話 真の試練Part2





 私、山瀬真美。


 私は住宅街の通学路を歩いていた。

 

───季節は春、新入生や進級生の小中高の学生達が不安とワクワクな希望を胸に、登校するのである。そして新卒の新入社員が背広のスーツを着用し、この日本社会にて活躍し、羽ばいては時にぶつかり、つまづき、様々な理不尽を経験するのだろう。そうして成長していく………しかし社会の厳しさに負けて立ち直れない者もいる。


 それが世の末、あまり根拠はないけどそう出来ているのが世の中だ………。


(今年も1人か…………ま、慣れているけど…………)


 何気なく通学路を歩く私(真美)。ちなみに私は進級した高校2年生だ。この間までは高校1年生だったが、高校の1年間は、何故か時間の流れが速く感じるのである………。


 テクテク………と、野生では絶対にいないであろうフサフサ毛玉のプードルの散歩しているオバサンに(おはようございます)と軽く挨拶して通過し…………。


(いつもの春の季節ね…………)


 私(真美)は通学路を歩き、次々と通過していくピカピカの社会人と学生を何気なく眺める。


───途中で差し掛かる公園にはポツポツと街路樹が行き渡り、桜がヒラヒラと空中に広がって真美の肩にポツンと落ちる。


 おはようっ!!


 おはよっ!!


 とある2組の女子高生が活発に挨拶を交わし、楽しく通学する光景が映る。そして途中で2人の友達と合流して仲良く通学する。


(私にも、あんな姿はあったな………)


 かつての過去を思い出しながら女子校生達のなかよし光景を眺める真美。しかし、恥ずかしいながら私には友達はいない。いや、この間まではいた………。


 私(真美)は、なかよしな女性校生達の光景を見て、吹き出すように思い出す………。あまり思い出したくはないけど、出てきたなら仕方ない。


 忘れもしない、1年生の時の本屋にて………。


───あの、いきなり話かけてこないでくれませんか?


 友達は言った………。幼稚園、小学、中学生の時からの親友に言われた言葉だ。入学した高校は別々だったが、久しぶりに話しかけたら、迷惑な表情を浮かべてそう言われたのである。


 私はあの後、ショック過ぎて帰り道はどう帰ったのか覚えていない………。食事も喉を通らず、あの友達にメールを送信して連絡をしようとしたけど、怖くて指先がブルブルと震えてしまい、そして携帯電話の連絡先から親友のメールアドレスを削除した。


(友達なんて、そんなモノなんだ………)


 真美は、思い出す嫌な記憶を割り切り、そう自分に言い聞かせるのである………。あのなかよし女子組なんて、いつかは離れ離れになる………と、趣味の悪い期待をする。


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