第246話 真の試練Part1
───部屋のカーテンの隙間から朝日の光が差し込み、部屋にはキラキラとした細かいホコリが充満している。朝、時間は7時。部屋中にはジリジリと鳴り響く目覚しの音。
「う〜〜ん…………」
いつものように、ベッドの上でダラダラと身体を横に揺らし、手を伸ばして目覚し時計を止める私(真美)。眠い、まぶたが少し重い。昨日は深夜12時近くまでゲームをしていたから眠い。
私(真美)はベッドから起き上がり、いつものようにパジャマを脱いで制服に着替え、カバンに筆記用具と教科書、そして色々と必要な物を入れて通学準備をし、そしてカバンを持って階段を降りる。
こう見えても、馬鹿みたいに夜ふかしはしない。ゲームをするときは夜の12時までと決めている。
───階段を降りる途中、ふと足を止める私(真美)………。
(あれ、私は何かをしていたような………)
立ち止まる私(真美)。そして思い浮かべる………記憶の中、僅かにパッと何かが閃いては消えてしまい、記憶の中に違和感を覚える。それは(何か)重要な事だったような………そうでなかったような………。いや、学校の宿題はやったし、昨日やっていたゲームはちゃんとセーブはした。いや、ゲーム内で何かを忘れていたのか…………そんな所だろう、今はゲーム機を起動して確認するヒマはないから帰って来てから………。
そう納得する私(真美)は軽く頷く………。
「何アンタは階段の上で立っているの?」
階段の下の廊下には母親が立ち、娘の姿に呆れた表情を浮かべ、見上げていた。
「あ、お母さん。おはよう………」
★★★★★★
私(真美)は軽く挨拶し、洗面所で軽くうがいしてから朝の食卓に向かい、テーブルに座る。私(真美)は朝食がパン派であり、皿にはトーストとサラダ、後は小粒のチョコレート、そして飲み物はコーヒーというシンプルなモノだ。
───テーブルには父親が新聞紙を広げ、先にいた。
「お父さん、おはよう」
私(真美)はイスに座り、新聞を読む父親に挨拶。
「うむ、おはよう」
父親は新聞を広げ、挨拶を返す。
そして私(真美)は朝食をパクパクと平らげ、洗面所で歯みがきをしてから髪を整える。
(何だったんだろう?さっきの閃きは………)
私は(真美)は、ゴシゴシと歯みがきをしながら謎の閃きを思い浮かべる。しかし、思い出せない。よくある話、いきなり得体の知れない(何か)が閃いて、思い出そうとしたら忘れてしまう。
まぁ、いいか………。
私(真美)は割り切り、カバンを持って玄関を出て、いつもように学校に向かうのである。




