第244話 最悪、予想外の事態に?
───よく来たな、聖なる輝きに選ばれし者よ………。
漆黒の世界に響き渡る声に、アンゼシカ(真美)は立ち止まる。その声は全域を漂わせる空気のように、またある時は支配者のように………。その声の正体に、アンゼシカ(真美)は反応するのである。
「お久しぶりです、あの図書館以来でしょうか?」
アンゼシカ(真美)は周囲を眺め、尋ねる。先程、安宿のベッドで寝ていたら意識が徐々に落ち、ここに導かれたのだ。
───ソナタをこの空間に導いたのは、約束した時が来たからである。それは分かっているな?
声の正体、それはクロフォード王国初代国王のレオナルド・ミア・シュバルツである。そして具現体である空中に(光の球)として出現した。
「試練………いや、選択というべきかと?」
アンゼシカ(真美)は言う。
───いかにも………ソナタには選択をしなければならない、奴を倒す為の運命の選択をな………。
光の球のレオナルドはキラリと輝きを一帯に広げ、神々しい威圧感を漂わせて伝える。低くもツヤがある声、アンゼシカ(真美)はピリピリとした緊張感に額から汗が滴らせる。
「それでは、始めてもらいましょうか?………」
アンゼシカ(真美)は言う。これから始まるのは物語のEDに関する重要な分岐点、さらに緊張感が行き渡る。
───良いだろう………それでは、ソナタが心の中に浮かび上がる人物を思い浮かべよ………。
光の球のレオナルドは低くもツヤがある声を響かせ、告げる。
(私が思い浮かべるのは………)
アンゼシカ(真美)はふと思い浮かべる………。
しかし、漆黒に空間には何も浮かび上がっては来ない。アレックス、デビッド、サウルにロメロ、ましてはミリアの人物像すら空中に出現しない。
(どういう事?)
アンゼシカ(真美)は状況に困惑。普通なら空中に人物像が浮かび上がるのだが、それすら発生しない。
───オヌシが思う人物は、いないと判断しても………。
光の球のレオナルドの素っ気ないセリフに、アンゼシカ(真美)は気持ちを震わせる。
「待って下さいっ違うんです。今すぐ思い浮かべるから待って下さいっ!!」
アンゼシカ(真美)は瞳を閉じ、強い念を込めて人物を思い浮かべる。額には汗、これまで歩んで来た仲間達を浮かべるだけ、そう、彼女の事だ………。
………………。
「何で?………」
アンゼシカ(真美)は焦り、空中には何も浮かび上がって来ない。それだけではない、これまで歩んで来た仲間達の姿すら、記憶の中に霧が充満したかのように見えなくなり、思い出せない………。




