第236話 怒りの反対運動
3日後………。
───ホセ・ヨハーソン公爵の逮捕後、国内は大混乱に陥っていた………。
「何だと、ヨハーソン公爵が逮捕?」
各地域にある町。酒場にて市民達は新聞を広げ、驚愕していた。
★★★★★★
ヨハーソン家は由緒正しき貴族。民を愛し、民族や宗教、その地域や家柄、伝統と文化を差別することなく尊重する人柄として名を知れ渡らせる。国内では非常に厳しい立場にある民族、宗教派の人間を王国軍から守る為、国外に逃亡させる手助けを実施していた為、隠れ反王国派や民族派の人々からは絶大な支持を得ていた。
しかし………反民族支配主義に対しての資金援助を行い、反王国運動に協力していた事により、国家反逆罪に当たる可能性は高い。
───ふざけるなッ!!ホセ公爵は由緒正しき御方だッ!!
───あの御方は我々に対して差別なく接してくれたッ!!
───ホセ公爵の逮捕はおかしいッ!!
───今度は自分達が公爵様を守る番だッ!!
───ホセ公爵を解放しろッ!!
まるで戦火のように………小さな火の粉から時間が経過し、大規模な炎に発展。王国の各地域ではホセ公爵の逮捕に反発する人々が大発生。そして各地域にある駐留基地の前は大混乱。駐留基地の前、民族・宗教派を支持の国民達は怒りに燃え上がらせ、大規模のデモ行進が広がる。
「ホセ公爵を解放しろッ!!」
「民族派の人権を守れッ!!」
「戦争を止めろッ!!」
市民はホセ公爵の肖像画を描いたポスター、名前が記された看板、そして共和国との戦争反対などを掲げ、烈火の如く猛抗議。
「下がれ、下がらないと貴様達も逮捕するぞッ!!」
デモ運動をする市民達を兵士達は威圧。
───すると、兵士達にあらゆるゴミが投げつけられ、額には生卵や腐った野菜。
「ホセ公爵を解放しろッ!!」
「民族派の人権を守れッ!!」
「戦争を止めろッ!!」
市民達は怒りを燃やし、兵士達にゴミを投げる。
「貴様らッ!!」
駐留基地から兵士達が次々と出動し、デモ運動をする市民達を鎮圧していく………。
しかし………兵士達の行動が裏目に出る。
新聞の記事にて、こう記されていた。
王国軍、各地域に発生するデモ運動に参加する市民達を人権侵害の如くの鎮圧………。死亡者数150名、負傷者数500名。その記事の内容に、国民の怒りをさらに拡大させる。
───我々は王族に対し、生産物の献納を拒否することをここに表明します………。
各地域にいる人々は立ち上がる。王族との関係が深い人々は生産物の献納拒否を次々と表明した。
ホセ公爵の解放、共和国との戦争を白紙にしない限り、再開はしないという事だ。




