第213話 Dの影響を受ける人々
───〈城下町・中央広場〉───
天気はくもり空、不吉な雰囲気を表すかのようにカラスの群れが飛び回り、鳴き声が響き渡る………。場所は王都の中央広場。広場の中央には演説台が用意され、大勢の観衆で埋め尽くされていた。これから何が行われるのか、それは処刑である。
演説台には3台の断頭台が設置され、刃はキラリと輝きを放っている。
───そして演説台に登り、観衆達を眺める上級兵士。
「これから我が王国に謀反を企み、さらに政策を批判をした愚か者を処刑するッ!!」
上級兵士は力強い声を響かせ、叫ぶのである。
兵士達に連行されたのは3名の民間人。2人は男性、1人は女性の民間人であり、罪状は諜報行為と政策批判。彼等は民族派の一般の国民であり、反政策主義だ。民族の民間人を外国に逃亡ほう助、政策批判、ましては国外に国の情報を流出させた事により、拘束されたのだ。
───罪人は包帯でグルグルと視界を巻かれ、手錠で拘束されている。そして兵士達に断頭台にカチャカチャと身体を固定される。
「これより、罪人の処刑を執り行います。罪人は罪を認め、その罪を償えば女神は許してくれよう………」
宣教師が処刑宣告、そして………手を掲げ、合図。
────ッ!!
断頭台のロープは放され、斬首の音が響き渡り、カラスがバサバサと一斉に羽ばたくのである………。
処刑の光景に、観衆達は大歓声を響かせる。
観衆の大歓声に応えるように………観衆からは大規模に漂わせる漆黒のオーラ。
もっとだ………もっとチカラを………。
我々にもっと憎しみ、怒り、狂気を………与えよ………。
観衆達、演説台にいる兵士や宣教師からは漆黒のオーラ。観衆達には聞こえないDiablosの笑い声がケタケタと行き渡る………。
★★★★★★
───〈王城・封印の間〉───
場所は城の中、最上階にある広間。青銅造りの壁や床が広がる部屋、王国建国時代にて活躍した初代国王が悪魔を封印した聖剣クラウ・ソラスが安置された広間である。
───聖剣クラウ・ソラスは鎖で厳重に固定され、封印されていた。
聖剣クラウ・ソラスは王国建国の象徴、かつて初代国王のレオナルド・ミア・シュバルツが使っていた武器だ。
封印されている聖剣クラウ・ソラスの刃は、赤黒い炎のような禍々しい輝きを放ち、広間全体に発生させる。
もう少しだ………もう少しで…………。
人々よ、我々にもっと憎しみを、怒りよ、悲しみを捧げよ………。
Diablosの声が、封印された聖剣から行き渡り、求めるのである。




