第209話 とある施設の制圧活動
───とある地域、とある町の中にある施設。景色に至って普通の町並みではある。昼は露店が並び、多くの人々が行き交い、夜は賑わいを覗かせる。その施設では民族派の人間が(保護)という名の強制連行され、そこではある事が行われていると情報が某侯爵家から連絡を受けた。表向きは民族、宗教、伝統を重んじる国民の保護施設、しかしその実態は想像を絶するものであった………。
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夜、反民族支配主義の構成員。そして部隊のリーダーはハルバート使いのガレッド・バーンズ。ガレッドの部隊は夜闇に紛れ、音を殺して裏通りを疾走。
(ふぁ〜〜〜〜…………)
施設の門前には守衛兵が待機。欠伸を吐き、呑気な様子での警備。ここに敵は来ない事を油断しているのであろう。
(バカめ………)
「ふえ?………」
そこに………反民族支配主義の構成員が一瞬にして斬り伏せ、守衛兵達の叫び声すら与えない。
★★★★★★
「オラオラッ!!」
ガレッドはハルバートを振るい、門を破壊して部隊の構成員達と共に施設の中に突入。施設全体の屋内は石造りの広間、破壊する音が全体に響き渡り、侵入、合図を送るのである。
───敵襲だッ!!
施設内に待機する王国軍の兵士達は轟音を嗅ぎつけ、駆けつけて戦闘体勢を整える。しかし、体勢を整えた所で間に合わない。
何故なら………。
「遅い遅い遅いッ!!」
───そして応戦体勢を、隊列が整えられる前、次々と王国軍の人間、施設の関係者達をせん滅していく。
他の構成員達は多くの牢屋が行き渡る部屋、教養室、あらゆる部屋を制圧。王国兵をせん滅、非戦闘員の施設職員などは拘束して制圧。
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───1階、とある廊下にて………。
「テロ組織の幹部のガレッド・バーンズだっ!!」
重装備した王国軍の部隊はロングソードを構え、斬りかかる。見た目とは裏腹に動きは軽やか、彼等は他の兵士とは違い、実戦経験が高い。
「そうだ、俺がガレッドだッ!!」
一方、ガレッドはハルバートを振るい、次々と王国軍の部隊を無力化。実戦経験が高くても、彼の前では何の意味もない。
「クソ、化け物め………」と、3人の王国軍の魔法使いは前方から襲いかかるガレッドに狙いを定め、詠唱。
しかし………。
「遅いんだよ………」
「何っ………」
魔法使いは息を呑み、額からは冷や汗。背後にはガレッドが一瞬にて回り込まれていたからだ。
「最期に言い残すことはあるか?」
「先に地獄で待っている。お前もこれまで数々の人間を殺したのだからな………死んで行き着く先は、同じだ………」
そして………空中に鮮血が行き渡る。




