第208話 子供の飛竜(リトルワイバーン)と
────討伐依頼を終え、皆は広地にて休憩時間を過ごしていた。近くに飛竜の親子がいるが母親の方は休息し、寝ている。子供の方はミリアに懐いている為、襲ってくる心配はない。
………そしていつものパターンが始まるのである。
「マスク・ド・aさまぁ〜〜〜〜………」
ミリアはアンゼシカ(真美)に抱きつき、デレデレと溺愛。岩場で隠れていた所、確保した。
「君は相変わらずだね………」
アンゼシカ(真美)は苦笑いを浮かべる。何度も思うが、ヨハーソン邸で気づかれなかったのは何だったのだろうか………。岩場から眺めながら思った。ちなみにこのイベントはミリアが戦いにおいての成長、しかし本編では成長を発揮するが、Diablosの力によるオーラは発生しない。そして飛竜の親子を助け、子供の飛竜に懐かれるイベントである。
───ミリアはデレデレと腕を組み、溺愛。
するとアレックスが駆け寄る………。
「ミリア、少し良いか?」
アレックスは尋ねる。隣には子供飛竜が付いて来る。理由は分からないが、懐いていると言うより興味があって付いて来たと言った方がいい。
「どうしたんですか?」と、ミリア。
「さっきの戦いなんだが………お前、大丈夫か?」
何故ならミリアの身体能力が不気味な程、凄まじかった。赤黒い威圧感、まるで人ならざるモノだ。Diablosに支配されかけ、それに伴い、戦闘能力がアップしている。
アレックスの問いに、ミリアは………。
「大丈夫ですよ。私、今まで戦っていて血とか相手を斬るのは不快でしたけど、今は何も感じなくなりました………」
ミリアは気丈に言った………。
(……………)
ミリアの言葉に、アレックスは悔しい気持ちになり、沈黙した。彼女が苦しんでいるのに、自分は何も出来ない。
───キュ〜〜〜〜………。
すると、隣の子供飛竜はアレックスの腕をかぷかぷと甘噛みをする。
「アレックスさんも懐かれたんですか?」
「ああ、何故か分からないが、興味を持たれてな………ヨシヨシ良い子だ………」
子供の飛竜の頭を撫でるアレックス。自分は牧場育ち、動物に懐かれる気質はあるらしい。
───キュ〜〜〜キュ〜〜〜………。
頭を撫でられて喜ぶ子供の飛竜は尻をブンブンと振るう。
「喜んでるみたいですね?」
ミリアは子供の飛竜を眺める。
しばらく子供の飛竜を撫でるアレックス。
かぷ………。
「何故、噛むんだ?」
アレックスは苦笑い。
「離しなさいって………」
アレックスは優しく怒り、手を引っ張るが、子供の飛竜は離してくれない。




