第202話 皆に謝るミリア
───それから数時間後、ミリアとロメロを乗せた交通馬車は中央都市アフタヌーンに到着し、馬車置き場に駐停する。その後はいつもの酒場に向い、いつもの(アレックス、デビッド、サウル)と合流するのである………。
───〈冒険者ギルド・酒場〉───
合流した時、(どこに行っていたんだ?)と、皆(アレックス、デビッド、サウル)は駆けつけ、心配された………。そしてミリアは頭を下げ、皆に心配させた事からペコペコと謝るのである。
皆(アレックス、デビッド、サウル)はミリアの謝る姿に少し困惑するが………。
───仲間と過ごしていればそんな事もある、気にするな………。
アレックスは気にしていない様子の笑みを浮かべ、ミリアの肩を叩いて励ます。
するとそこに………。
「ミリアさん………」
酒場に入って来たのはアンゼシカ(真美)。ミリアが酒場に入って皆に謝っていると同時であり、自分なりにタイミングを図ったのだ。
「マスク・ド・a様………」
入って来たアンゼシカ(真美)に、ミリアは思わず気まずい緊張感を張りつめ、声を吐き出す。
───みんな大嫌いッ!!
彼女(マスク・ド・a様々)に吐き出してしまった言葉を思い出す。そしてパキパキと、徐々に氷結していくような緊張感が心に行き渡り、沈黙してしまうミリア。許してくれるのだろうか………またら許してくれくれないだろうか………と、前向きになれない自分がいる。
───アリシアなら、きっと大丈夫ですッ
その時、思い出したのは………。まるで氷結されかけた自分が手を差し伸べて、手元に現れた(光の玉)のように………。
(私は………)
ミリアは思い出す。
シッカリしなくちゃダメですよ。そのお友達とはその程度の絆だったのですか?失敗を恐れていたら、何も始まりませんッ!!
そう、クリスティーナ・カイエンの言葉である。
そして、ミリアは首に装着しているクリスティーナから貰ったカモミールの花をモチーフとしたペンダントを眺める。
お姉様なら、きっと大丈夫ですよ。
クリスティーナの言葉が緊張感で氷結しているミリアを解かしていくように………決心がついた。
「マスク・ド・a様、その………」
ミリアはアンゼシカ(真美)に歩み寄る。
互いに沈黙………何故か自分も緊急するアンゼシカ(真美)はゴクリと息を呑む。
「身勝手な事を言って本当にごめんなさいッ!!」
ミリアは頭を下げる。
「ミリアさん………」
一方、ミリアは誠意を伝えた事で、床にはポツポツと涙をこぼれ落とすのである。




