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第200話 反民族支配主義とヨハーソン家





 気がつけば朝を迎えた。

 小鳥の鳴き声が外に響き渡り、窓から朝日が差し掛かり、書斎スペースの机にて寝伏せているのはミリア。スゥースゥーと寝息を吐き、瞳からはポロリと涙が滴り落ちる………。書物を読んでいるうちに寝入ってしまったのだ。


(アンゼシカお姉様………)など、寝言を言う。


───書斎スペースにて、漆黒コートを着用した人物が掛け布を持ち、就寝中のミリアに被せる。


「テロの工作員が目の前にいるのに、のん気な者だ………」


 反民族支配の工作員は呆れつつ、笑う。そして、ごゆっくり………と、小さく呟き、ガチャとドアノブに手を伸ばし、起こさない程度の音を立て、書斎スペースから退室するのである。


───工作員が退室し、1人の執事が待ち構えていた。


「おはようございます、ライアン・ウィリアムズ様」


 ロメロは挨拶。


「おはよう………」


 工作員のライアンは挨拶。


「どうでしたか?」


 するとライアンと呼ばれた工作員は口を開く。


「彼女が起きている所を説得して仲間に加えようとしたが寝ていた為、起こしたら可哀想だから断念したよ………」


「そうですか………」


「バレてないだろうな?組織とお前、そしてヨハーソン家との関係を?」


「ご安心を、バレてはいないかと………」


「そうか、ヨハーソン公爵の協力は感謝はしている。組織に至っては資金提供や物資提供、そして民族派の保護。我々は色々と助かっているよ………。王国も、テロ呼ばわりしる組織を協力していると思えないな………」

  

 ライアンは自信気に言う。ヨハーソン家はかつて王族と親密な関係がある一族、調べはしない。


 しかしロメロは………。


「あまりそんな事は言うべきではありません。誰が聞いているか分からないですから………。それと、あまり時間はありませんよ………」


「分かってる。王国軍の軍事力は強化され、東側の国と戦争になるのは時間の問題。このままでは組織の壊滅は免れないだろう。うちのリーダーが、近いうちに決心すると言っていたが………」


 ライアンは言った。


「しかし皮肉ですね………かつて王国建国に協力した親友同士、片方は王族、片方はテロ組織に協力している公爵貴族。その双方が争うのは………」


 ロメロは残念な表情を浮かべる。世の中は皮肉で成り立っている為、仕方ない事だ。


「我々かて好きで争いをしている訳ではない。しかし行動をしなければ王国により民族派の支配は強まるばかり。かつての民族戦争後にできた残党勢力も、現在に至るまでそうしてきたのだから………」



───そして物影から気配を消し、見守るのはマスク・ド・a。このイベントは、ロメロとホセ侯爵、そして反民族支配主義の関係を知るイベントである。



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