第19話 知らなかった姫君
───アンゼシカ(真美)は木々から飛脚。
そしてミリアの前に駆けつけ、ぶるぶると震えるミリアを片手で抱き支え、同時に大聖剣を振るい、襲いかかるババ族達を斬り払う。
…………まるで生まれたばかりの子馬のような状態のミリアは混乱状態。今まで父上や先代国王が強硬姿勢で実施して来た政策、そのせいでこの森に住んでいる原住民族達は……
「オマエ、ジャマスルナ、コロス」
ババ族1体が怒り狂う声を響かせる。それに続くように、他のババ族達は紅潮し、槍や弓矢をカチャカチャと音を立て、雄叫びを響かせる。
彼らは国を憎み、再教育と言う名の弾圧。宗教や文化の主張は禁止され、反対する者は殺されたりもした。自分の達の聖域に好き勝手に侵入して来た者には容赦は……
消えろ……
アンゼシカ(真美)はギロッと睨み、威圧。
生前、相手を威圧した事はないけど、マンガやゲームみたいに、いちかばちか……。
───ババ族達はアンゼシカ(真美)の威圧感に震え、クモの子を散らすように立ち去る。
うわ、マンガみたい。威圧ってこーするんだな、ただ瞳をギッとしただけなのに……
★★★★★
───ミリアはショックを受けている。
今まで王国で姫君として生活し、父上や今までの先代国王が実施して来た政策を知り、言葉が無い。
あの人達は悪くない………自身の文化や伝統を守って普通に生活していた。悪いのは全て……いや、それすら知らなかった私は……
ミリアはアンゼシカ(真美)の腕に抱かれ、現実を受け止めて沈黙。
「おい、大丈夫か?」
アレックス、デビッドは駆けつけ来る。
「とりあえずこの場は大丈夫です。けど、ミリアさんが……」
「一度、ギルドに戻りますか?」
アンゼシカ(真美)の言葉の後に、デビッドは提案。
採取依頼は即日、今ギルドに戻れば依頼は未達成になる。けど、今はミリアの事を考えたら……。
「これ、どうぞ」
アンゼシカ(真美)は袋に入ったブツを渡す。
袋に入っているのは数十本の(クリスピーマッシュ)。私曰く、森林の中を歩いていたら見つけた……。いや、保険として見つけておいた。
これを渡せば、依頼は達成したことになる。なお、アンゼシカ(真美)の採取スキルはチート級でもある。
───とりあえず、皆はギルドに戻る。
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