第194話 ヨハーソン家の歴史Part42
────中央広場から大通りに掛け、地鳴りのような足音を響かせて行進する王国軍。規制線の柵からは見物人の大歓声。
そして、レオナルド国王陛下による鎮圧命令が下された………。クリスとカイト王国騎士が率いる王国軍全部隊は東西南北に部隊を編成し、各地域で発生している民族紛争に介入し、治安維持活動と言う名の制圧を開始するのである。
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まずは西地域………。王国軍は小規模民族に編成された民族軍同士の紛争に介入し、圧倒的な軍事力で鎮圧した。
西地域を鎮圧して2週間後………。
次は南、北の地域にて発生している紛争地域にて、それぞれの王国部隊は介入する。各紛争地域で戦線指揮を務めている双方の指導者を処刑する形で制圧。
とある民族兵は投降、最大民族のファフニール族、クウガ族に兵役を強制され、戦闘は自分達の意思ではない………と話す捕虜達。
しかし………。
「やれ………」
軍の隊長は部下の兵士達に命令。
───王国軍の部隊はロングソードを抜き、捕虜達を一列に並べて処刑した。レオナルド国王陛下からは(投降した兵士は処刑)の命令を与えられているからだ。
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そして………最後は東部の紛争地域、民族紛争が激しい地帯である。紛争場所はとある平原地帯にて両勢力は交戦中。砲台による砲撃、得物を交え合う民族兵達。爽快な青い空、空気中に爆煙が充満し、地面に両勢力の死体が広がる。
東の大規模部隊は戦場に駆けつける。部隊を率いるカイト王国騎士は騎士馬に乗り、号令。
「鎮圧を開始せよ、全軍突撃ッ!!」
ロングソードを突き立て、カイト王国騎士は雄叫びを響かせる。
───カイトの号令に、王国軍の大規模部隊は突撃を開始した。無論、捕虜は処刑、生きて帰すな………と、命令を与えられている。
王国軍の兵士達は応えるように雄叫びを響かせ、紛争中の両勢力に入り込むように行動を開始した。戦闘訓練が浅い民族で構成された兵士では、実践経験豊富な王国軍の前では為す術もなく殲滅され、戦場では容赦なく死体が行き渡り、怒号と悲鳴が交じり合って響き渡る。
そして………鎮圧作戦は終わった。地面には敵の死体が行き渡り、砲撃によって破壊された地面。血と硝煙の匂いが一帯に充満している。
───両勢力の指導者を処刑してから、カイト王国騎士は皆に向かって口を開く。
「戦争は幕を閉じたッ!!これより、我が隊は王都に帰投するッ!!」
カイト王国騎士はロングソードを突き立て、高々と終戦を宣言。そして部下の兵士達も応え、得物を突き立てるのである………。




