第190話 ヨハーソン家の歴史Part38
■■■■■の波動ッ!!
Diablosは片手を掲げ、魔法を発動させる。属性は(闇)。始まりの闇、そして終わりの闇。漆黒の炎球が3人の前に放たれる。直撃すれば浄化されるように全てが燃やされ、水を含むあらゆる消火は不可能である。
しかし、レオナルドとクリス、カイトは怖れない………。
「そんな炎で俺達は倒せないぞっ!!」
レオナルドは聖剣クラウ・ソラスする振るい、漆黒の炎球を斬り伏せて無効化。
団長、レオナルド団長………。
痛い、痛いよ………。
どうして、救ってくれなかったのですか………。
かつて同志だった兵士達のゾンビが斬りかかる。
しかし………立ち止まっている場合ではない。
「悪いな、女神の元に還りな………」
カイトは(光)を付与したショートソードを振るい、3体のゾンビ兵を斬り伏せる。斬り伏せれたゾンビ兵は安らかな表情を浮かべ、浄化の光を放って消えるのである。好戦的になっていたのはDiablosの力による強制的な蘇生。それによりあらゆる意思が支配され、戦闘だけに集中するようにコントロールされていた。
斬りかかるゾンビ兵達、その中にも敵兵だった者もいた。
───よくも、コロしてくれたな?貴様も地獄に引きずり込んで…………。
クリスは(光)を付与したロングソードを振るい、敵兵のゾンビを斬り伏せ………。
「立ち止まっている場合じゃ無いんだ。次に生まれ変わる時は違う人生を送れよ…………」
ゾンビを斬り伏せ、ポツリと呟きつつクリスは潜り抜け、駆け走る。奴等から放たれる言葉には耳は絶対に傾けない、何故なら彼等は戦士であり、戦死の覚悟はしていたからだ。耳を傾けてしまえば精神を支配され、付け込まれて寝返る。
■■■の波ッ!!
Diablosは左手を振るい、灰色の光波を空中に放ち、レオナルド達全体に狙いを定める。灰色の光波に巻き込まれたら即死、対処は不可能に近い。
「無駄だッ!!」
レオナルドは聖剣クラウ・ソラスを振るい。■■■の波を無効化した。
おのれ、人間ごときに………滅びよッ!!
Diablosは両手を掲げ、詠唱陣が描かれた漆黒の球体を空中に出現させる。無限の神撃。もし直撃すれば世界そのものが暗黒に染まり、滅亡する。世界の全てを滅ぼし、新世界の神として生まれ変わり、支配する。
「クリス、カイトッ!!」
レオナルドは号令。そして2人は(光)を付与した剣刃を合わせつつ、同調する。放たれた無限の神撃は3人に向かって接近し、周囲にビリビリと地鳴りが行き渡り、景色が震え上がる………。




