第189話 ヨハーソン家の歴史Part37
───レオナルドは決意の眼差しを輝かせ、聖剣クラウ・ソラスを両手で突き立て、唱える………。
聖剣クラウ・ソラスよ、我に聖なる力を(魔)を討ち滅ぼす為の与えよ………契約者の名は、レオナルド・ミア・シュバルツ………。
レオナルドが唱えると同時、地面に詠唱陣が描かれる。そしてクリスとカイトが装備している剣に(光)が付与され、聖なる光が行き渡る。その(光)はどこか心地良く懐かしい感覚になり、自信が湧いてくる。
「これは………」
突然の(光)にクリスは驚き、構えているロングソードの刃身に光が行き渡る。それは周囲に全体的に………Diablosによって変質した世界を否定するように、その光は悪魔を滅ぼす為にだけあらず、人々を照らす希望の(光)だ。
「俺にも………」
カイトのショートソードも同様。刃身に(光)が広がり、絶望から希望に変化する。
(光)は弱点属性であり、悪魔にとってこれは嫌う。(光)に対し、Diablosに憤りを露わにする。
ええい、こざかしい、聖剣を身に着けた程度の貴様らに何が出来るッ!!
Diablosは、周囲に行き渡る(光)を嫌がり、咆哮の息吹。
───Diablosの咆哮の息吹に、レオナルドとクリス、カイトは………。
「ここから反撃開始だ、いくぞみんなッ!!」
吹き付ける咆哮に耐え、体勢を整える。そしてレオナルドは皆に号令を響かせるのである。Diablosの圧倒的な威圧感の前に為す術もなかったが、聖剣クラウ・ソラスの力を授かった事により、それは塗り替えられた。
───了解ッ!!
レオナルドの号令にクリスとカイトは応える。そして(光)を付与した剣を構え、戦闘体勢を整える。
やってみるがよい、人間共よ…………。
忌々しい聖剣と共に、闇に葬ってやろう………。
Diablosは漆黒の威圧感を極限に行き渡らせる。漆黒の空、周囲に生えている曲がりくねった巨骨の柱、禍々しい樹木は応えるようにクネクネと活動を開始。
さらに………。
───地面から無数の十字架の墓石が次々と出現し、中から復活してくるように出てくるのはゾンビ。かつてこれまでの戦争の中で戦死した同志、敵兵などがDiablosの魔力によって蘇ったのだ。
レオナルド戦士団長…………。
貴様らは許さない…………。
スベテはDiablos様の………。
ゾンビ達は不気味に声を響かせる。戦場の中で殺された憎しみ、戦死した同志の悲しみ、そして蘇らせてくれたDiablosを崇拝する声が響き渡る………。




