第18話 ババ族の怒り
───〈南西・最寄りの森〉────
「とりあえず、依頼開始だな」
アレックスは号令。
メンバーはミリア、デビッド。
場所は中央都市アフタヌーンから南西に向かって歩いて30分の距離。
依頼内容は(クリスピーマッシュ)の10本の納品、(クリスピーマッシュ)は高級のキノコであり、傘部分はショコラのような茶色だ。香ばしいニオイ、肉々しい食感。様々な料理に使用され、多くの料理店が依頼を発注し、大変貴重である。基本、(クリスピーマッシュ)は冒険者ギルドに依頼し、手に入れている。
★★★★★★
何故なら素人には………。
★★★★★★★
───〈森林地帯・広地〉───
ミリア達は戦闘態勢。
木々からゾロゾロと出現したのは原住民族ババ族の戦士。独特な木の仮面を被り、身体中には白いペイントを塗り、腰部には葉っぱを巻いてる。
武器は槍、弓矢、吹き矢を装備。
広地全体は緑が広がり、鬱蒼とした木々が閉じ込めるように包囲し、太陽の光を照らしている。
地面の至るか所から太い幹根が隆起し、その光景はまるで大蛇だ。
「ニンゲン、コノチ、アラス。ユルサナイ……」
「ココ、ワタシタチ、フルサト。ニンゲン、デテイケ、サモナクバ、コロス」
「オウサマ、ワタシタチ、コロス、ナカマ、カゾク、タクサンシンダ」
「ワタシタチ、ナニモシテナイ。コロサレルノオカシイッ!!」
原住民族達は武器を構え、片言な言葉で威圧。
なお、(クリスピーマッシュ)を手に入れようとした冒険者ギルドはババ族に殺されたりする。
───ッ!!
ミリアは原住民達のセリフが心に突き刺さり、沈黙。
───物語の設定上、彼らは………。
アンゼシカ(真美)は気配を最大限に殺し、木々の間から見物。しつこいが私は裏方役、ピンチになれば駆けつけるスタイルだ。
彼らは王国の民族支配の被害者であり、先代の国王陛下達の政策により家族を殺され、再教育として収容所に収監されたり、あるいは領土拡大として森林を焼き払われ、故郷を追われた。
また、この森には冒険者達が大勢訪れ、希少食材を乱獲したり、娯楽としてババ族の人が理不尽に殺されたりしているから恨んでいる。
───広地では、ミリア達は戦闘中。
「危ないッ!!」
アレックスはボサッとしているミリアの前に回り、斬りかかるババ族の1体を斬り伏せる。ミリアは、自分の父や祖父、その先代陛下が実施していた民族支配に気が動転している。
ミリアは、斬り伏せされたババ族の返り血を顔に浴び、震えた………そして、へたり込む。
───その時、槍を構えた4体のババ族がミリアに斬り掛かる。
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