第186話 ヨハーソン家の歴史Part34
───幻想体のミリアは、Diablosとの戦闘を見守る。戦争は最終局面、これが自身に宿っている災厄だと思うと、その威圧感は言葉に出来ない。そして何があったのか知ることが出来る。
★★★★★★
「さて、どうする親友?」
クリスはロングソードを両手で構え、隣のレオナルドに尋ねる。いつもの余裕な表情はない、何故なら奴に攻撃を仕掛けようと突っ込んだが、衝撃波を放たれたりして跳ね返されて近づけない。
2人から見てDiablosの存在は立ちはだかる圧倒的な漆黒のオーラを漂わせた巨影であり、無力の証明を思い知る。
クリスの言葉にレオナルドは………。
「相手は悪魔だ、かなり手強い………そーいえば、いつもなら相棒と呼ぶお前が、どうして親友と呼ぶようになった?」
レオナルドは質問を投げかける。
「何だいきなり?………そーだな、こんな絶体絶命のピンチで、そんな状況で何故か故郷にいた頃を浮かんでな………あの頃はアレだ、いつも一緒でお前と夢を語り合ったけな………」
クリスの言葉にレオナルドは、肩の力が少し抜けた気持ちになり口を開く………。
「ハハ、そんな事あったな………あの頃はただのバカな子供だった」
レオナルドは過去を思い出し、笑う。
「バカな子供ね………」
「今のお前ならどうやってこの状況をひっくり返す?」
レオナルドは尋ねる。何故だろう………こんな状況なのに心が落ち着く。絶対絶命になると引き起こす走馬灯って奴か………なら敗北する前提になる。
レオナルドの質問に、クリスは不敵な様子で口を開いて(答え)を導き出すのである………。
「そりゃ、いつもの通りだ」
「いつもの通りか………お前のそんな所が好きだ。付いて来れるかカイト?」
クリスの(答え)に、レオナルドは笑みを浮かべ、聖剣を片手で構える。自身の肚は、故郷を出た所からとうに括っている。刈り取れるなら刈り取って見るがいいさ………肚を括った人間は強いと奴に思い知らせる。ピンチは何度も乗り越えたから自信はある。
「ハイ、2人の為ならどこまでもお供します」
カイトはショートソードを構え、答える。クリスに助けられ、そしてクリスが乗る騎士馬に乗って付いてきた形でここに来た。
正直、ここまで付いて来た事を後悔はしている………。
何度でもかかってくるが良い、愚かな人間よ………貴様らの希望を全て絶望に変え、世界の全てを漆黒に変えてくれよう………。
Diablosは漆黒の支配するかのような声を響かせ、威圧感を行き渡らせる。




