第185話 ヨハーソン家の歴史Part33
───Diablosの出現により、平原には漆黒の霧が行き渡り、まるで違う世界のように領域変化していた………。戦士団の兵士達は戦場を駆け走る。それは悪魔と人間の戦い、敗北は即ち世界の終わりを意味をする。
★★★★★★
西部戦士団のとある部隊はDiablosが率いる漆黒の聖職者達と交戦していた。正面から刃を交え、魔法の炎球や氷結球、雷撃球を放って攻撃し、敵兵を撃破したり………空気中には血と硝煙が広がる。とある兵士は敵を倒し、とある兵士は相手に倒され、戦死する。状況はややDiablos(ディアブロス〉側が有利である。
───ッ!!
1人の兵士は額に汗を流して駆け走り、正面から突き放ってくる漆黒の聖職者のランスをロングソードで弾き払い、空いたスキにロングソードを振るって斬り伏せ、駆ける。
斬り伏せられ、同時に両断された漆黒の聖職者の肉片から漆黒の瘴気が空中に発生。
「クソ………」
兵士は瘴気を振り払う。
───ッ!!
同時だった………相手に叫び声すら与える暇さえ与えない。漆黒の瘴気を煙幕に利用するように潜り抜け、3体の漆黒の聖職者はランスを振るい、兵士の全身に槍撃を与えて撃破。
兵士は戦死し、地面に倒れ伏す。後悔はしない………時代を築く為、世界の未来の為なら名誉ある(死)を選ぶ。それが生き様だ………。
「炎よッ!!」
騎士馬に乗る魔導師は杖を振るって詠唱。そして複数体の漆黒の聖職者達を狙って炎球を放ち、爆発を行き渡らせ、撃破。
★★★★★★
人間にしては、なかなかやるではないか………
Diablosは讃える。地上に降臨し、悪魔相手にここまで戦える者を見て驚いたからだ。
最前線にて、奴と戦っているのはレオナルドとクリス、そしてカイトの3人だ。奴はある程度は手加減しているが、それでも人間を相手にするのはもはや小動物を相手にするのと同じである。
魔力を軽く宿した掌を掲げ、漆黒の衝撃波を放ったり、右腕を振るって爪撃を与えたり、ダメージを与えられるどころか、3人は近づく事すら叶わない。
レオナルドとクリス、カイトは漆黒の衝撃波に圧倒されて後退し………。
ハァ………ハァ………ハァ………。
3人は額から汗を流しつつ息を切らし、体勢を整える………。戦闘での実力は自信はあるが、悪魔相手ならそれすら、今までの経験が否定されてしまう。
人間よ、もっと我を楽しませよ………。
それとも我が配下になり、望む世界を手に入れるか………。
Diablosは嘲笑うのである。




