第184話 ヨハーソン家の歴史Part32
───そして………レオナルドの元に駆けつける2人。
「助太刀に来たぜ、レオナルドよ」
───ロングソードを構えるクリス。相手は戦争を引き起こした元凶、いや人間全体元凶であるDiablos。全てを支配するかのように広がる漆黒の威圧感。
「僕も来ました」
騎士馬から降り、カイトはショートソードを構える。
「お前ら………」
レオナルドは駆けつけた2人を眺め、言葉に出来ない安心感。
愚かな、2人ごときが加わった所で………
Diablosは漆黒の威圧感を全体に行き渡らせ、戦闘体勢を整える。全身に漆黒の熱圧、力量はまず人間ではない。
───Diablosの威圧感に応えるように、周囲にいる漆黒の聖職者達はガシャと音を響かせ、同じ漆黒の威圧感を漂わせつつランスを一斉にランスを構え、臨戦態勢を整える。
そしてレオナルドの期待に応じるように、次々と戦士団の兵士達が集結し、数は10、20、30………数十名はいるだろう。
「よく駆けつけて来た、同志たちよ。もうひと踏ん張りだ、コイツ(ディアブロス)を倒せば、戦争は終わるッ!!付いてこいッ!!」
クリスは威勢ある声を響かせ………。
───ッ!!
兵士達は得物を高々と突き上げ、クリスの威勢に応えるように雄叫びを響かせる。もう彼等だ(答え)は決まっているらしい。
自分には仲間がいる、始めは少ない人数だった。長い制圧活動の中、戦士団に入って来る者、怪我や死にたくない為、去る者もいた。自分も何度も死にかけた、何度も挫けそうになった。それらを繰り返して経験し、積み重ねた結果がコレである。
フム、バカバカしい………何人が加わろうと、状況は変わらん………人間ごときが、このDiablosに挑み、勝てるとでも思っているのか?
Diablosは尋ねる。
「勝つよ、俺達はずっとそうして来たからだ。聞けよ悪魔、人間はな嫌な事や辛い事、失敗してそして成功して繰り返して、色々な事を見て聞いて経験して、成長するんだよ。ここに集まっている同志達は、その積み重ねなんだよ」
レオナルドは言った。これから、王国の陛下になれば失敗はする。失敗して、成功を繰り返して積み重ね、互いの民族、宗教、文化を尊重し合い、良い国にするのが夢である。
理解できぬ、なら我々が全てを否定する………。
Diablosは漆黒の威圧。
レオナルドは勇敢な表情を浮かべ、Diablosを睨み………。
「行くぞッ!!」
レオナルドは聖剣を構え、先行。そして同志達と共に駆けるのである。




