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第183話 ヨハーソン家の歴史Part31




───数時間前………戦場の中にて………。


───ッ!!


 空中に鮮血が広がり、自分は死んだ………と思っていたカイトは言葉を失う。何故なら………。

 

 カイトに攻撃を開始してきた歴戦の骸骨騎士は胸部を一閃。空中に鮮血を行き渡らせ、ドサッと音を響かせて地面に斬り伏せられた。


「大丈夫か、後輩?」


 騎士馬に乗り、背中姿でカイトに告げてきたのはクリス・ヨハーソン戦士団長。鮮血で汚れたロングソードを片手で担ぎ上げ、不敵な笑みを浮かべる。


「クリス戦士団長ッ!!ありがとうございますッ!!」


 カイトは頭を下げ、言った。クリス戦士団長が駆け付けてこなかったら今頃は………。


───カイトの言葉にクリスは気にする様子、先を急ぐように口を開くのである。レオナルドが先行して向かった先にて、かなりヤバい気配を感じたからだ。

 それは大きく、肌に刺すような………そんな感じの雰囲気がクリスは察したのだ。


「そんなもんは後だ。今から一気に進むからお前も付いて来いッ!!」


「はいっ」


 カイトは返事。そしてクリスの騎士馬に跨り、乗る。


 ★★★★★★


───クリスとカイトは騎士馬に乗り、戦場を駆け抜けていた。辺りに行き渡る敵味方双方による刃のぶつかり合い、魔法攻撃による炎球の爆発。そして空中に広がる砂煙。


 戦況は膠着状態、どちらに転ぶか分からない………。


「しっかり掴まれよ、振り落とされるなよッ!!」


 クリスは言った。


「はい」と、カイト。


 クリスはロングソードを振るい、通り過ぎ際に敵兵の昆虫騎士やトロールなどのモンスターを次々と斬り伏せ、額に返り血を浴びる。



───そして世間話を始める。


「お前はここに来て、どれ位になる?」


 クリスは尋ねる。


「まだ1ヶ月ですね………」


「何で俺達の戦いに加わったんだ?」


「この間、クリスさんとレオナルドさんに制圧された町で僕は育ちました。2人が支配するまでは、町は貴族の支配が強くて生きていくのに必死で、父も母も人頭税が払えなくて収容され、処刑されました。お2人が町を制圧して、貴族を処刑してくれたおかげで僕は生きる事が出来ました」


 なるほど、あの町の出身か………。と、クリスは静かに頷く。町を武力行使で支配し、領主を粛清。戦いで多くの血が流れ、人にホメられたモノではないが、それで命を救わるた者がいるなんて皮肉である。


「それで、命を救ってくれた2人に恩返し、どの道両親は死んでひとり身で、働かないと生活していけないので戦士団に加入しました」


 カイトは言った。彼にとって、2人は英雄でありそして兄貴でもある。


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