第182話 ヨハーソン家の歴史Part30
戦場に………それ(ディアブロス)は降臨した。まるで神のように、その圧倒的な威圧感と異形に皆は震えるのである………。
───身長は5メートル以上、漆黒の鱗肌に鎧のようにガッチリした肉体。広背部に漆黒の翼に頭部には角、全てを突き刺すような鋭い瞳。赤黒い息を吐かせ、鋭い牙が行き渡る。
Diablos。世界をあるべき、漆黒の世界に還す為、ギリアム公爵を陥れて降臨した。
「コイツが………」
何だコイツは………。と、レオナルドは震えた。数々のモンスターと戦って来たが、コイツから漂わせる威圧感は桁違いだ。
我が名はDiablos………
暗黒の主にして、世界の全ての始まり………
───Diablosは口を開く………。
奴が口を開く度、まるで全体が震え上がるかのような威圧感が行き渡る………。
「勝てるのか………コイツに………」
史上最大の試練。レオナルドは聖剣を両手で構え、戦闘体勢を整える。額からは流れ落ちる汗、正直に言えば今すぐにでも逃げ出したい。
怖いか?人間よ…………
安心するがよい、もし貴様が我が配下になることを望めば、命は助けてやろう………
それだけではない、世界は望むがまま………我が配下になれば(全て)を約束をしよう………
Diablosは宣告した。
さっき両断したギリアム公爵も同じ事を言っていた………。奴の言っている事は本当のようであり、嘘は言っていないらしい。
死にたくない気持ち、または自身の欲望………Diablosにそんな約束事を伝えられたら、普通の人間なら受けてしまう。
しかしレオナルドは考えるまでもなく、聖剣を片手で構え、Diablosに突きつける………。
「誰がお前の話を受けるかよッ!!お前は、俺が俺達をここで倒すッ!!」
レオナルドは言った。覚悟ある瞳を輝かせ、布告するのである。
フハハハハハッ!!この我の約束事を棒に振るというのだなッ!!貴様は他の人間とは違い、中々な筋を通した人間だッ!!
後悔………するではないぞ?………
Diablosは威圧感を漂わせる。
「望む所だ………お前をここで倒し、世界を平和にしつつ、俺達の国を作る。それが俺や俺達の悲願だッ!!」
レオナルドは言った。それが自分が選んだ道、同時にそれは自身に死刑を宣告したようなものだ。
なら、貴様達はここで消え去り、選択を誤った事を後悔するがいい………
Diablosは不敵に笑い、そして周囲に詠唱陣を描き、数十体の漆黒の聖職者を出現させ、戦争体勢を整える。
───待たせたな、相棒ッ!!




