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第175話 ヨハーソン家の歴史Part23





 レオナルドは同胞達の様子にキリッと決意を示した表情を浮かべ、はるか先の敵影に向かって聖剣を片手で突き立て………。


 同胞達が自分を信じているのに、自分は何を考えているんだ………これまでの戦いよって命を落とした仲間は自分を信じ、そして女神の元に召された………。

 自分自身を信じられないのに、何が戦士団長だ、何が王国建国だ………これまで何の為に同胞達は命を落とした。


 これでは戦士団長失格だな………と、レオナルドは皆を眺め、改めて布告する………。


「恐れるモノは何も無いッ!!何故なら幾度の修羅場を潜り抜けた力があるからだッ!!全軍、目標の敵をせん滅ッ!!西部地域を制圧、せん滅をしつつ民間人の救援、保護活動を開始せよッ!!」


───騎乗馬に乗ったレオナルドは指揮を務め、王国の象徴とも言える聖剣を片手で構える。目標達成の為、敵影に向かって平原を駆け抜ける。我が軍の敗北は世界の終わりを迎え、闇に支配されてしまう。自分達が生き残るにはこの戦争に勝利するしか道はない。


 レオナルド戦士団長に栄光あれッ!!


 王国建国に万歳ッ!!


───全部隊の同胞達はレオナルドに続き、士気高い雄叫びを響かせて駆ける。



   ついに始まった………

      歴史的な大戦が………真実の戦いが………。


 幻想体のミリアは駆け走る戦士団達を眺める。



 ★★★★★★


───その頃、異形化したギリアム公爵私設軍は西部戦士団の動きを察し、攻勢を整える………。


 攻勢の構えを務めるギリアム公爵は口を開く。


「忌々しい蛮族共が行動を開始したな………まずはこの世界を支配する為の前座によるイケニエとして、皆殺しにしてくれよう………」


 異形化したギリアム公爵は赤黒い息を吐きつつニヤリと笑みを浮かべる。そしてクルクルと片手で矛先が赤黒いハルバートを構える。


   全てを………支配せよ………

     世界を再び暗黒の時代を………人間を支配し、我々の隷属にしてくれよう………。


 異形化したギリアム公爵私設軍にディアブロスの声が流れ込まれるのである。


  ディアブロス様に栄光をッ!!


    我々の神に栄光をッ!!


 異形化したギリアム公爵私設軍のモンスター達は得物をカチャカチャと士気を高めつつ咆哮を響かせ、禍々しい足音を響かせて前進する………。


「全軍、東部と北部、南部全域を侵略開始せよ。敵兵は全て撃破し、投降する者は捕獲を実施しつつ、我が同胞に改造せよッ!!」


 異形化したギリアム公爵は指揮を務め、全軍に対して命令を下すのである。


───全ては………我々の神であるディアブロス様の為に………。と、意思を込める。


 

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