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第174話 ヨハーソン家の歴史Part22




 その頃、場所は東側。鎧を装備した軍馬に乗ったレオナルドとクリスが指揮を務める全部隊は隊列し、応戦体勢を整える。コチラの勢力はピエール公爵軍の協力により強化され、兵力は最大。そして後から各方面から増援部隊が駆けつける予定だ。

 

───これはただの戦争ではない。生きとし生ける者達全ての存亡を賭けた聖戦である。この聖戦は歴史に刻まれ、後世に語り継がれるであろう。


(……………)


 レオナルドは目標の敵勢力を眺め、沈黙していた………。敵勢力全体に赤黒い光がキラキラと展開し、人間とは思えない程の景色である。


 こんな奴等を相手するのか………と、レオナルドは思わず苦い表情を浮かべ………。


「怖いのかレオナルド?」


 クリスは尋ねる。


「正直言うと怖い。けど、やるしかない」


 クリスはレオナルドの肩を組み、口を開く………。


「お前だけじゃない、みんな同じだ。次期国王になるお前が怖がってどうする?」


 クリスは言った………。そしてレオナルドとクリスが率いる戦士団。新しく入隊した者や東部、北部、北東部や南東部の併合活動時から付いてきた同胞達。

 

───自身達が地道に築いて来た努力を表すかのように………何十、何百、何千、何十万の同胞達は不敵な笑みを浮かべ、信じている。我々に敗北の二文字はない。幾度の窮地を味わい、そしてその度に乗り越え来たからだ。


   勝利は我等にッ!!

   

   レオナルド戦士団長とクリス戦士団長に栄光をっ!!

  

   王国建国に万歳ッ!!

   

   万歳ッ!!万歳ッ!!万歳ッ!!


 人間の力を思い知らせてやる………何十万の同胞達はそれぞれの得物を一斉に掲げ、ガチャガチャと圧倒的な轟音を響かせる。


「これが俺達が積み重ねた者達だ………」

 

 クリスの言葉。同胞達のにレオナルドは決意したような気持ちで………。


「そうだな………こんな修羅場、何度も乗り越えたからな………」


 レオナルドは言う。何度も死にかけた、何度もピンチを味わった。その度に危機を救ってくれたのはクリス、気恥ずかしくて言ってないが感謝している。


 ありがとうな、クリス………。


 レオナルドは心の中で思うのである。


 

(これが、歴史の真実………)


 そして群衆の中、幻想体のミリアは見守る。250年前、王国建国の際に多くの犠牲者を発生された歴史である。


 ★★★★★★


───5キロ先には異形化したギリアム公爵私設軍、こちらは皮肉にも爽快な天気、太陽の光が地面に行き渡る。しかしギリアム公爵私設軍側にいる場所、大空はまるで夜のように漆黒が広がる。


  

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