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第172話 ヨハーソン家の歴史Part20




 そのとき………会食室のドアが物凄い勢いで開き、入って来たのはカイト・アルゼイド少年兵。全身から滝のように汗を流し、息を切らせていた。表情はまるで、この世の終わりである。


「どうしたカイト?」


 レオナルドは尋ねる。


───息を整えるヒマなく、レオナルドの質問に対し、ノドが避けるのではないかと思う程、カイトは叫ぶように口を開く………。


 カイトの言葉に、空気は一変するのである………。


「大変ですッ!!西部の方で、正体不明の勢力がここに攻めてきますッ!!


「何だって?ギリアム公爵軍の勢力か?」


「違います、勢力を見たら人間ではなく、赤黒いオーラを全体を漂わせていて正体が分かりませんッ!!」


 カイトは報告した。


───これは一体、何が起きているのか………と、ミリアは緊張感ある光景に圧倒されて言葉を失うのである。これが明かされなかった歴史、知らなければならない真実の1つである事は確実だ。


 ★★★★★★


 そしてレオナルドとクリス、あとミリアもコッソリと付いて行く………。ついでにカイトを連れて急いで外に出る。向かう場所は町の外、レオナルドは双眼鏡から西側と東側の境界線を眺めるのである………。


「これは………」


 双眼鏡から数十キロ先の東西の境界線を覗き、その光景にレオナルドは絶句した。


───平原には漆黒そのものが広がっていた………それは人ならざるモノ、その次にクリスが双眼鏡を覗いたが、その光景に対しては言葉が見つからない。


(アレがもしかして………)


 幻想体のミリアは確信した。考えたくもない思い出したくもないそして全ての元凶であるアレ(ディアブロス)だ………。


「これから各地方に迅速に増援要請を送り、ただちに戦闘態勢を整えろッ!!」


 レオナルドはカイトに命令。


「分かりましたッ!!」


 カイトは急いで町に戻り、伝書鳩で各地方に構成されている軍隊に増援要請を送るのである。


「これは史上最大、もし我々が敗北すればこの国、いや世界の終わりだ」


 レオナルドは平原を眺める。


「何だ、お前らしくないぞ………こんな修羅場は何度も潜って来たと言うのに………」


 クリスは言う。敗戦しかけた事は何度もあり、その度に乗り越えてきた。この戦争だって………と、自信が行き渡る。


「けどな………それはただ運が良かっただけで」


「やっぱり、お前には俺が必要だな………お前、変な時に弱気になる時があるからな、俺や皆がお前を支えてやらないとな………」


 クリスはレオナルドの肩を組み、陽気に言った。




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