表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

169/556

第168話 ヨハーソン家の歴史Part16



 

───時刻は深夜帯、満月が夜空を照らしている。


 その頃、場所は大陸の最西端の地域に位置する山岳地帯。山の中にある遺跡洞窟、ゴツゴツとした岩肌が全体に行き渡り、空気はジメジメとした空気が充満し、地面や壁には虫。



───〈洞窟礼拝堂〉───


 礼拝堂では結婚式やミサや神父の説法を行う場所だが、しかしその光景はそれらとはかけ離れている………。


 その遺跡洞窟を深く進めば黒い修道ローブを被った信者達。黒い修道ローブはまるで悪魔を表しているかのように………。信者達は膝を付いて手を合わせ、薄暗い礼拝堂にてロウソクがポツポツと灯され、不気味な雰囲気を漂わせ、縦横に整列して祈りを捧げていた。

 

───信者達は祈りを捧げ、唱える。


 (終焉)は新たな始まり………

   (暗闇)は全ての母となり………

     (死)は生きとし生けるものの終焉………

 

 信者達はブツブツと音読する………。

 正面には演説台。床全体には生き血を滴らせたような真紅のじゅうたんが敷かれ、そして漆黒の神官コートを着用した司祭らしき人物が演説台に立ち、信者達を眺める。


「諸君、今宵も我が神聖なる儀式に出席して頂き、君達の集まりに感謝します」


 司祭は言った………。


   (暗闇)は全ての母となり、(終焉)は新たな始まり………。


 音読する信者に対し、さらに司祭は両腕を広げて口を開く………。


「そうです。この世の始まり、全ては暗闇から始まるのです。終焉を迎え、暗闇が始まり………そして光が生まれて(死)にたどり着く。これが無限なるDなのです」


 司祭はペラペラと宗教的な説法を開始する………。


  (死)は生きとし生けるものの終焉………

    (終焉)は新たな始まり………

      (暗闇)は全ての母となり………


 司祭は神書を広げ、口を開く。


「そう、お気づきでしょう。全ての法則はどんなに並び替えても繋がっているのです。Dは全ての終わりであり、全てはそこから始まるのです」


 信者達の音読に対し、司祭は熱弁する。


───信者達はさらに祈りを捧げ、音読を続ける。


   Dの神、Diablosディアブロス………

    (終焉)と(創造)を司る神、Diablosディアブロス………


Diablosディアブロスこそ、我々こそ崇めるべき神である。始まりから終焉、終焉から始まりへ………全ては繰り返される運命さだめなのです。この世界は一度、終焉を迎えるべきだと………。だが心配はない、我々は終焉を迎えていてもDiablosディアブロスを崇めていたら神の下に生まれ変わり、再び人間として導かれるであろう………」


 司祭は高々と熱弁するのである。


      

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ