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第164話 ヨハーソン家の歴史Part12




───ッ!!


 その時、方向は南西部からだった………。空気を支配するような怒号を響かせ、第3勢力の軍勢が戦場に介入するように押し寄せてきた。


 それは突然、いきなり何が起こったのか分からなかった………。第3勢力の軍勢はギリアム公爵私設軍の兵隊を次々と斬り伏せていく。


「これは一体?」


 レオナルドは冷や汗を流し、震える気持ちで状況を確かめる。


───ッ!!


 場所は西側、敵兵が多く隊列している地点にて、3発の氷球が戦場に直撃。同時に氷結と化したトゲ柱が無数に広がり、撃破。無数に広がるトゲ柱は敵兵を巻き込み、全身に突き刺さって絶命した者、凍りついて絶命する者で行き渡る。


 敵兵が隊列している西側は混乱。


「炎よッ!!」


 騎乗馬に乗って駆け走り、杖を掲げて詠唱しているのはピエールの魔導師部隊。杖先に火炎球を出現させ、敵兵が多く隊列されている場所へさらに放った。


────ッ!!


 火炎球が直撃し、爆発が広がる。敵兵達は火炎爆発に巻き込まれ、形すら残さない者や焼死体となって絶命した者が多く行き渡る。


 さらに………。


「レオナルドッ!!」


 騎乗馬に乗り、ピエール率いる私設軍と共にロングソードを掲げて駆け走るのはクリス・ヨハーソン。


(アイツ………)


 まるで神様が手を差し伸べた奇跡とも言える気持ちだ………。レオナルドは安堵の笑みを浮かべる。


 ピエール私設軍は20万人、魔導師と戦士によって構成された軍隊である。西部戦士団と合わせて35万以上となり、戦況をひっくり返した………。


「ピエール公爵の私設軍だと?蛮族と協力したかっ!

!」


 ギリアム公爵私設軍の兵士は声を上げる。


───ッ!!


 南西部方向からはさらにピエール私設軍の軍勢が押し寄せ、敵兵を次々と撃破をしていく………。


 ギリアム公爵私設軍はこの戦況を取り戻す事は不可能であり、まるで足元を一気にすくい上げられた状況である。


───撤退だ、我が軍は西部まで後退を開始するッ!!


 そして………戦況不利と判断したギリアム公爵私設軍は、西部まで撤退。敗走の足音を戦場に響かせる。


 

 ★★★★★★


───西勢力との戦争が終わり、平原には戦死体が行き渡る………。生き残った兵士達は負傷兵の救護、戦死体を死体袋に入れて片付けていた。


「お前には、いつも苦労をかけるな………」


 レオナルドはクリスに言った。コイツには感謝しかない………。


 レオナルドのセリフに、クリスは彼の腹部を強く殴って口を開く。


「おら、お前がそんな弱気でどうするんだ?国を作るんだろ?しっかりしろよっ」


 

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