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第160話 ヨハーソン家の歴史Part8




───次の日の朝、空は灰色。場所は町の広場にて………。


「ギャアアアアアアッ!!」


 10名の捕虜の兵士達は木の十字架にはりつけに拘束され、断末魔の絶叫を響き渡らせる………。下着一丁にされたまま手足を縛られていた。


 はりつけにされた捕虜の兵士達に集まって来たのは本日の仕事役であるカラス。気落ちしそうな灰色の空、絶好の処刑日和にバサバサと羽音を響かせて次々とカラス達が広場に現れる。カラスは腹を空かせ、腹ペコである。


───カラスの群れは捕虜達に集まり、そして一斉にクチバシで突き、肉を食らいつく。


「俺の目が、やめてくれッ!!」


「耳を、俺の耳がッ!!」


 カラスに肉を抉られ、捕虜達の声。あまりにも姿は衝撃的で見ない方がいい。マトモに見たら吐き出しそうになり、食欲は無くなる。


 空中に鮮血がビチャビチャと音を響かせ、飛散。地面に血肉の塊が広がり、無数の羽虫が集まる。


「当然の報いだな………」


 クリスは涼しい表情を浮かべ、処刑を眺める。

 

───ッ!!


 処刑の光景に観衆達は地鳴りのような大歓声を響かせる。罪人の処刑は気分はスカッとする。捕虜達の悪行である謀反、命を救ってくれた戦士団に対してこの行為は言語道断。こんな奴らは殺されて当然である。

 クチバシで肉を抉られただけではすぐに死ねない為、辛い。いかに断頭台による斬首処刑が優しいかが分かる。


 謀反野郎、カラスのエサがお似合いだッ!!


 さっさと死んじまえッ!!


───観衆からは怒号。後は不適切な発言などが響き渡る。


 クリスの隣に立ち、レオナルドは………。


「来世に生まれ変わったら、真面目に生きるんだな………」


 レオナルドは腕を組み、処刑を眺める。何人もの敵を倒して来た為、凄惨な光景を見るのは慣れている。

 そして自覚する、自分はロクな最期は迎えない。いつかは積み重ねた業を償わなければならない。


───自分達が行っている事は非道である。しかし自分達は戦士団であり、王国建国の為に活動している。

 組織に仇をなす者や敵組織、目的を達成する為なら敵に対して残虐な方法で示さなければならないし、好きで行なっている訳ではない。


 それから………1時間。拘束されている捕虜達は断末魔の叫び声を響かせなくなった。


───カラス達は満腹になり、灰色の空にバサバサと漆黒の翼を広げ、羽ばたいて帰って行った………。広場にて、黒い羽根や血溜まりが行き渡り、羽虫が広がる。そして木の十字架にはりつけにされ、動かなくなった捕虜達の死体。人としての原型は留めておらず、血肉のオブジェ。

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