第157話 ヨハーソン家の歴史Part5
ヨハーソン率いる戦士団がシュバルツ率いる戦士団に加勢した事により、貴族連合軍の兵士達を次々と撃破し、まるで息を吹き返したかのように戦況は一変した。
───ヨハーソン率いる戦士団は、南部の地域を領地としている貴族達から仲間に加わった騎兵部隊が活躍し、前進。
平原の敵軍を撃破し、市街地に突入。
「勝利は我が手にッ!!」
レオナルドは怒号。そしてそのまま快進撃が続き、シュバルツとヨハーソン率いる戦士団は勇ましい足音を響かせ、市街に侵攻開始。振り注ぐ雨、切るように町中を戦士団は駆ける。
石造りの地面、小麦色のコンクリート舗装かつ瓦屋根の建物が並び、町中は至って普通だ。
皆は辺りを軽く眺め、そして思い知る。
───壮絶な光景だった………。栄養失調により建物に身を預ける市民、地面に伏せる者、精神が壊れ、布を敷いて座り込む者。着用している衣類はボロボロ、もはやただの布に近い。皆は町の領主貴族によりあらゆる税金を搾り取られ、食料が買えず、ロクな医療が受けれない為、飢餓状態が広がっている。
この光景にレオナルドは………。
「クリス、お前は率いる部隊と共に市民の保護、負傷者や栄誉失調者の救護に回れッ!!」
「分かった。行くぞお前らっ!!俺らは民間人の救護だっ!!」
ヨハーソン率いる戦士団はシュバルツ率いる戦士団と分かれ、町中に拡散した………。
───オレ達か………この腐った領主に制裁を加える事が役目だ。と、レオナルドは怒りを漂わせ、領主館に突入するのである。そして俺達の同胞達の仇を討つとしよう。
レオナルド達は、領主貴族の館に侵入するのである。
★★★★★★
───〈公爵邸大広間〉───
「何だ貴様らはッ!!」
いたのは公爵貴族と仲間達。呑気にシャンパングラスを片手に持ち、酔っていた。この町を支配し、民から税金を絞り取り、あらゆる物資を自身の館に横流しして富を築いていたクソ野郎だ。それだけではない、中には他の貴族達が女の子達とお楽しみの最中であった。
「町中とは違ってさぞ、儲けているようだな………」
レオナルドはロングソードを片手に持ち、同胞達と入る。室内は町中とは違い、気品な飾り付け、黄金の像や壁、シャンデリアが吊るされ、そしてテーブルには豪勢な料理が並べられ、これらは全て民から絞り得た税金から生み出したモノだと思えば、見ていて吐き気がする
───対話の為に向かわせた同胞の使者を殺され、それならお礼を返さないとな………。
「命だけは、金はいくらでも出すから………」
と、公爵様は都合よく命乞い。しかし、そんなモノで俺達の要求とは釣り合わない。
答えは決まっている………。




