第148話 ミリアの後を追いかけるアンゼシカ(真美)
ミリアは2階の廊下を歩いていた。ロウソクを灯りに、辺りを見回りをしつつ書斎室を目指す。
招待客は就寝中。見つからないが、油断は出来ない………。一方のアンゼシカ(真美)は後を追い、異変に対処出来るように体勢を整えつつミリアを見守る。
差足忍び足………。
(気分はまるで忍者………)
そんな事を思っている場合ではないが………アンゼシカ(真美)は少し能力に酔いつつ建物の柱や壷、銅像に身を隠れながら進む。忍者とゆうよりストーカーである。
───ミリアはピクッと(何か)に気配を感じて振り向き、ロウソクを背後に照らす。
(ヤバイっ)
アンゼシカ(真美)は思わず立ち止まって身を屈ませて銅像に隠れる。見つかればゲームオーバーな気持ちであり、額からは冷や汗が流れる。今、ミリアは私の存在に対する察知力は低いが、いつ気づかれるか分からない。
(気のせいね………)
ミリアは異常無し。と判断し、再び正面にロウソクを照らし、廊下を歩き進む。
アンゼシカ(真美)は銅像から離れようとした………。
───(何か)を察知し、ミリアは再び振り向いてロウソクを照らす。
(またっ………)
アンゼシカ(真美)は再び…………。
どうする?銅像に再び隠れるか、それとも………。アンゼシカ(真美)の頭の中、選択肢が高速に浮かび上がる。銅像に隠れるか、走って後退するか………しかし走って後退すればミリアに私の存在を察知されてバレる可能性がある。
そして選択した、再び銅像に隠れることに………。
───すると、ミリアは歩き進む………。方向はアンゼシカ(真美)が隠れている銅像。
(えっ…………)
アンゼシカ(真美)は冷や汗、焦りを隠せない。ロウソクの灯りがコチラの方向に接近して絶体絶命。
10メートル、5メートル………と、カーペットを踏む音を響かせ、(気のせいね………)と判断して引く様子はない。状況は銅像を調べるつもりだ。
(ヤバい、どうする………どうする………)
ロウソクの灯りが近づくにつれ、銅像に隠れているアンゼシカ(真美)は困惑、このままでは見つかってしまう。キョロキョロと辺りを眺め、対処法を探す。
だんだんと近づいて来るミリア。来るな………と、祈るアンゼシカ(真美)。
───3メートル、2メートル………ミリアは接近。アンゼシカ(真美)は処刑される気持ちである。
張り裂けそうに響かせる鼓動、塞ぐ瞳を開かせる。
(こうなったら、イチかバチかの賭けに出るしかない………)
アンゼシカ(真美)は銅像から飛び出し、全力で走ろうと準備。




