第147話 深夜に起きて書斎室に向かうミリア
夜、時間帯は12時。
───ミリアは客室のベッドにて就寝。他の使用人達は別棟の宿舎にて就寝している。ミリアは正規の使用人ではない為、本館で使われてない客室を与えられた。
就寝中にミリアは布団を上げ、目を覚ました………何故だろうか、疲れているのに………。
───思い浮かぶのはアンゼシカお姉様の記憶。
ここでアンゼシカお姉様が育ち、そして王国の兵士に志願して………。それから私と出会って教育係として長い年月をかけて過ごし、そして私を追放した………。
(ここなら、分かるかも知れない)
私は知りたい。どうして私を城から追放し、陛下に就いたのか………。
ミリアは決心し、部屋から退室する。
★★★★★★
ミリアはロウソクを照らし、廊下を歩いていた………。誰もいない廊下、カーペットを踏む足音がギチギチと響き渡り、不気味な雰囲気である。他の部屋には招待客が就寝中の為、足音を立てずに歩く。
───右側の曲がり角、ミリアに視線を覗かせているのはアンゼシカ(真美)。コウモリのように気配を消してミリアを観察。異変が発生しないように、もし異変が発生したら対処が出来るように見守る。ここまで来るのに異変だらけ、そもそも本来のラスボスであるアンゼシカ・ヨハーソンがここにいる為、私自体が異変の塊と言っていい。
(このイベントは、ミリアが書斎スペースに向かってヨハーソン家の関係を知る事になる………)
アンゼシカ(真美)は腕を組み、思い浮かべる。ちなみに彼女は視力が非常に高く、暗闇に潜んでも視界は広い。
───するとロウソクの灯りが接近、ミリアがこちらに向かってくる。
(おっと………)
アンゼシカ(真美)は瞬足で走り、飾りの銅像に身を隠した。
ミリアは曲がり角を曲がり、右側の階段に登る。目指す部屋は(書斎室)。使用人として2階の客室にいる招待客を迎えに行っていた為、場所は分かる。伊達に使用人をしていた訳ではない、しっかりと館内のありとあらゆる部屋の場所を確認していた。
(見つからなかったようね………)
───ロウソクの灯りがアンゼシカ(真美)が身を隠す銅像を照らしたが………ミリアは気づかない。
そしてミリアが通り過ぎた後、アンゼシカ(真美)は安堵した様子で気配を消し、階段を足音を立てずに走り、ミリアの後を追う。前世で生きていた頃、某潜入型アクションゲームをプレイしていた事を思い出す、見えない場所から敵に発見されてビックリした事だ。今は気づかれていないが、油断していたら見つかる。そんな気持ちだ。




