第133話 クリスティーナの説教
「お姉ちゃんッ!?」
突然のミリアの涙に、クリスティーナはビックリした。
「すいません………少し友達と喧嘩をしてしまった事を思い出して………」
ミリアはゴシゴシと涙を拭って言った。
「何でケンカしたの?」
クリスティーナは尋ねる。
「お姉ちゃんが悪くてね………自分の事を凄く考えていた友達に、自分勝手に強く当たってしまって。それでね………」
ミリアは説明した。
「お姉ちゃんは………仲直りしたいですの?」
「はい、ちゃんと謝って許してもらいたいです。それでいつもの友達に戻りたいです」
ミリアは答えた。冷静に考えたら自分が悪い、そりゃマスク・ド・aにビンタされる訳だ。
───ミリアの言葉に、庭師衣装のアンゼシカ(真美)は………。
(ミリアさん………私は、嬉しいです)
嬉しさの余り、庭師のアンゼシカ(真美)はハサミをプルプルと震わせる。私もビンタをして、悪いとは思っているし、私も謝ろう。因みにバレてない、もしバレていたら抱きついてくるだろう。
ミリアとクリスティーナの会話は続く。
「その………お姉ちゃんがなら、大丈夫ですよ。きっとその友達だって許してくれるよ。だってお姉ちゃん優しいし、私の遊びに付き合ってくれたし………」
クリスティーナは言った。
「許してもらえると良いですけど………」
少し弱気なミリア。あんな事を言ってしまった為、いざ皆に謝ろうと動きたいが、悪い結果になるのではないか………と言う障壁が立ちはだかり、決心を鈍らせる。
───するとクリスティーナは弱気なミリアに、しっかりとした口を開く。
「お姉ちゃん、シッカリしなくちゃダメよ。お姉ちゃんにとって友達の絆は、その程度なのですの?」
自信ないミリアに、クリスティーナは一喝。
「えっ?」
「お姉ちゃんは、友達と仲直りしたいのですよね?仲直りしたいなら、自分から動かなくちゃ何も始まりません。最初から失敗を恐れていたらダメですよ。そんなんじゃお姉ちゃんの友達は許してはくれないままですっ」
───クリスティーナはビシッと指を差し、説教。5歳児に怒られるミリアは情けない気持ちで沈黙………そして口を開く。
「ありがとうクリスティーナ様。私、ちゃんと謝ってみせます。結果とは関係なく、誠意を込めます」
「分かればよろしぃーーー」
クリスティーナは頷く。
こうしてミリアは皆に謝ると言う決心が固まるのである。カモミールの花がなければ決心が固まらなかっただろう。
そのときである………。
「こんな所にいたのか、クリスティーナよ………」
謎の青年の声。庭園に1人の青年貴族が歩み寄る。




