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第131話 貴族少女からの頼み





 ミリアは庭園を見回っていた。無くなった皿を取り替え、厨房から新しい料理を運び、庭園と厨房を行き交いしてた為、少し疲れた。見回りと言っても、招待客から世話を頼まれたら勤しむだけなので庭園辺りを歩き回っている状況だ。しかし、ただ見回りをしている訳ではなく、怪しい者が紛れていないか。注意する必要がある。



───そこにロメロが駆け寄り、声を掛ける。

 

「仕事には慣れましたか?」


「大変ですけど、楽しいですよ」


 ミリアは言った。


「そうですか。影からミリア様の仕事振りを拝見していましたが、なかなかの素質ですよ………」


「私は………ただ自然的に」


 ロメロの言葉に、ミリアは謙虚に言う。

 ただ、お世辞ではないらしい。自分には人を楽しませる才能があるらしい。庭園中を眺めていたら招待客は皆、楽しそうな光景で溢れている。客室に案内されたミリアの対応に招待客は皆は気分が良いいと評判らしい。


 すると、ミリアの背後に気配………。


「おや?」と、ロメロは気配の先に視線を向ける。

 ミリアの背後には柑橘かんきつ色のドレスを着用した少女。髪色はオレンジ、頬にはあどけないソバカスに容姿は5歳と言った所だ……。


「おや、どうかしましたか?」


 ミリアはしゃがみ込み、少女と同じ目線を合わせて尋ねる。不意にも気配が感じなかった。


 可愛らしくモジモジと身体を揺らし、少女は………。


───ミリアに正面から抱きつく。そして離れ、口を開く。


「お姉ちゃん、遊ぼ」


 少女はニコッと言った。ミリアのスカートを掴み、頼んで来る。


「遊ぼって………どうしましょう?私、仕事が………」


 少女の言葉に少し困惑するミリア。自分にはパーティ全般の対応、メイドを勤しむ仕事がある途中で放り出す訳にはいかない。隣にいるロメロに視線を向いて、どうすればいいか。と、暗黙的に尋ねる。


 するとロメロは冷静な口調で………。


「ミリアさん………お嬢様の相手をなさって下さい。何せ、貴族からの頼みは絶対です。私からも上手く言っておきますので………」


 と、ロメロは言った。


「ありがとうございますロメロさん。」


 ミリアは感謝するのである。


「じゃあ、遊ぼお姉ちゃん」


 少女はミリアの手を掴む。


 さて、何して遊ぼう………と、ミリアは考える。


「そうですね、花園に散歩をするのはどうですか?」


「じゃあ、行きましょうか?」


「お嬢様の命令よ、ついて参れ。アナタ、名前は?」


 少女はミリアの手を掴み、活発に連行するのである。ついでに尋ねる。


「私は………アリシアといいます」



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