第123話 ビンタした事による後悔
その頃………ギルドの酒場にて………。時刻は夜、酒場中には他の冒険者達が酒を飲み、いつものように馬鹿騒ぎを展開している。話の内容は仕事の事、色々と満足の行く仕事をこなした話やヘマをした話。失恋、恥かしい経験、口では説明出来ない話による世間話などで笑っている。一言で例えれば、うるさい。しかし、ファンタジーの酒場ではそれは日常茶飯事である。
テーブル席にはアレックス、デビッド、サウルにロメロ。そして………。
「何か、珍しい方がいるな?」
サウルはクスクスと半笑いを浮かべ、ノンアルコールのグレープジュースが入ったジョッキをグビグビと飲み、口を開く。何故なら皆が座るテーブル席には………。
「ハァ…………」
両手で頭を抱えるのはアンゼシカ(真美)。又の名をマスク・ド・a。その姿は後悔、取り返しのつかない失敗をしてしまった。と、思わせる雰囲気である。
前世ではしがないOL。仕事でヘマをして、上司に怒られて、その状況に似ている………。なお、私(真美)はヘマをして上手に気持ちを切り替えられる性格ではない。ヘマをしたら、いつまでも引きずる性格だ。
「元気だせよ、仮面の変態さんよ」
「変態じゃない………私は、マスク・ド・a。皆のピンチに駆けつける正義の味方………」
サウルの変態発言を否定。アンゼシカ(真美)は泣き声を上げ、ジョッキに入ったフルーツの発泡酒をグビグビと飲む。
するとアレックスは気遣うように口を開く………。
「大丈夫だって。ビンタの1発や2発、ミリアの奴は案外気にしてはないって………」
「けど、私はね………」
アンゼシカ(真美)。何故なら小さい頃から良い子で、感情的に手を上げた事がないからだ。ビンタしたら、ミリアに申し訳無い気持ちで胸がイッパイだ。
「仲間とはいえ、状況によってはビンタが必要な事もあります。私も最初、馬鹿みたいに突っ込むアレックスさんにファイアボールを投げて制止して、よくモメたものですよ。ビンタなんて可愛いものですよ………」
「仲間1人を制止するのに、ファイアボールを使うお前もお前だよ………」
デビッドの言葉に、アレックスは文句。正直、殺されるかと思った………。
「ラブ・ハラスメントですよ。怒ったアレックスさんがつい見たくて、可愛くて………」
デビッドはデレデレと主張。あえてモメ事を引き起こして、イジワルしたくなる。それが、アレックスである。
「モメて仲を深める。ステキです、やはりアナタとは気が合いますね?この友情に運命を感じます」
ロメロはパンツ一丁で発言。
「お前らは………ロメロ、お前は服を着ろ」
アレックスは引き気味に困惑し、ツッコむ。




