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第121話 大嫌い、そしてマスク・ド・aのビンタ




 今まで溜め込んで来た感情を爆発させるように、ミリアは叫んだ………。


 アレックス達は感情的になるミリアの姿は初めてであり、言葉を失う。涙を流し、さらにミリアは声を響かせる。


「私だって自分なりに考えて行動しているのに、アレックスさんやマスク・ド・a様は仲間を信じろって好きに言って、結局は私の事は何も考えてないじゃないですかっ!!変な声が聞こえて、無意識にこんな状況になって………」


 ミリアは支離滅裂な声を響かせ、アンゼシカ(真美)に掴み、涙を流す。怖い気持ちを押さえ込むのが限界。精神を支配されてしまうかもしれない恐怖、自分ではなくなる恐怖、全ての恐怖がミリアに入り混じる。この状況を作ったのは自分の本意ではない、どうして自分が責られなくてはならないの?………。


「ミリアさん、そんな事を言わずに………」


 アンゼシカ(真美)は気遣う。そして落ち着かせようと、手に肩を乗せ………。


 パンッ…………と、ミリアは肩に触れられた事にイラッとした様子で払い除け………さらに口を開く。


「放っておいて下さいっ!!もうみんな………大嫌いッ!!」


 ミリアは発言………。もう、全てがどうでもいい………。どうせ、私はDディアブロスに支配されて、自分が自分で無くなるのだから………そんな気持ちだ。

 

 ミリアの自棄発言に、アンゼシカ(真美)は険しい表情を浮かべ、何かがキレて思わずスッと手を振り上げて………。


 パンッ………と、降り注ぐ豪雨の中、乾いた音を響かせるのである………。


「あっ…………」


 ミリアにビンタしたアンゼシカ(真美)は、思わず沈黙してしまう。前世にて、ビンタをした事が無かった真美は、何とも言えない感覚になる。ただ、ミリアがあまりにも自分勝手で、コチラも彼女を助けたいと思っているのに、Dディアブロスの魔の手から解放させる為に、動いているのに………。発言を返すにも、様々な思惑が入り混じり、何も思いつかない自分がいる。


(……………)


 ミリアはビンタされた頬を押さえ、沈黙。ミリアに衝撃が行き渡る………あの大好きなマスク・ド・a様に、ビンタされた事に………。雨水で前髪を濡らし、ヒドい表情でうつ向くミリア。


 降り注ぐ豪雨、戦場に行き渡る死体にて、アレックス達は2人の光景を何とも言えない様子で眺めるのである………。


 それから………皆は帰りの馬車に乗り、もの凄い気まずい雰囲気になったのは覚えてる。雨水で身体を濡らし、ミリアとマスク・ド・aが引き起こした気まずい雰囲気に疲れていた為、いくらサウルでも話を盛り上げる事は不可能だ………。


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