第115話 予想外の状況
ギルドにテロリスト撲滅運動が発令して、1週間の日々が経過した。冒険者ギルドは撲滅運動に介入し、各地域にて紛争状態が発生している。
───北東部、とある廃村地帯にて………。
「オラオラッ!!」
ハルバートを振り回し、ガレッドはギルドで構成された戦士達を次々と撃破していく。そして、反民族支配主義の構成員達も続き、一気に畳みかける。
「馬鹿な、奴らの拠点はここから南に向った地域だったハズだッ!!」
ギルドの戦士は驚愕し、後退。驚愕している理由、彼らが相手している構成員達の実力が全然違うからだ。主力の構成員達の拠点は南部の町、本来相手するハズの構成員達は北東部で活動する小規模かつ練度も中の下の部隊である。
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一方、南部の地域にて………。
───〈王国再教育学校・南〉───
時刻は昼。反民族支配主義の構成員達は再教育学校を襲撃し、学校に駐屯している王国軍の部隊と交戦中。構成員達の数は大規模、主に練度の低い構成員達で隊列されている。一方、学校に駐屯している王国軍は小規模、軍の配置情報は国家機密の為、調べるのは困難である。
「クソッタレが、何て数………ぐぁっ………」
兵士達は構成員達に次々と撃破され、各部屋は構成員達が優位に制圧されていく。教室、実験室、収容部屋などを制圧し、収容されている民族を解放。
───そして………。
「収容施設は陥落した、我々は自由だッ!!」
反民族支配主義の構成員達は王国軍の旗を踏みつけ、怒号を響かせる。
テロリスト達の勢いは凄まじい、まるで配置情報を全て分かっているかのように………。
★★★★★★
「この依頼を取り消します」
ギルドの酒場にて、1人の冒険者は言った。
依頼を取り消さなければ家族に危害を与える………もし、ギルドに通報すれば同様である。と、自宅に脅迫状が送られて来たからだ。なお、冒険者の個人情報はギルドによって守られているハズだが………。
★★★★★★
とある町、とある民家にて………。
民家に蹴り入る反民族支配主義の構成員達。
「何だ、貴様らッ!!」
男性は激高、そして家の奥に逃げる夫人と十代前半の娘。
「テロリストが、こんな事をして………ぐぁッ」
男性は構成員達に斬り伏せられ、床に倒れる。男性はちなみに冒険者ギルドの弟夫妻である。何らかの事情で個人情報を知られていまい、襲撃してきた。
───そして、意識がかすむ中、余りにも残酷な光景だった………。
構成員達は夫人と愛娘を乱暴し、断末魔の叫び声が響き渡る………。




