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第107話 少女の名はリーシャ




 広間にはマスク・ド・aとミリアが駆けつけ、戦闘に加勢していた。少女が召喚した2体の召喚獣はマスク・ド・aが振るう大聖剣の剣撃により撃退され、地面に倒れ伏している。


 少女の名前はリーシャ・ゲバラ。サウルに棒撃をガードされ、複雑な口調で口を開く。


「久し振りね、兄さん………冒険者で頑張ってるらしいわね?」


「お前も相変わらず短気だな?アレか、自分が話している会話の中、その内容に自分でキレて、よくオヤジに怒られたよな?聞いてるぜ、テロ行為で王国を楽しませているって?」


 サウルは皮肉に言う。


「うるさいッ!!兄さんも挑発癖は相変わらずね?」


「俺はお前と違って気持ちは大人なんだよ。血で血を洗うのは破滅の道だってっな!!」


 サウルは中間距離まで跳び下がり、主張。


「兄さんはッ!!」

 

 リーシャは尺杖をクルクルと振るい、仕掛ける。


 リーシャの棒撃をサウルは跳んで回避、そして後方に移動。


「憎くないの?私達の全てを奪った王国が?」


 フードを脱ぎ、リーシャは尋ねる。

 茶髪のショートヘアー、つぶらな瞳の童顔。年齢はサウルの1つ下、14歳。


「確かに憎いさ。けど、血で血を洗う………そんな性格じゃないんだよ俺は………」


 サウルは言った。


「兄さんも武器を取るべきよ。今、王国はさらに民族支配を強化して、さらには隣国に対して戦争準備をしているわ。私達の危機ではなく、国中の危機になってるのよッ!!」


「分かってるよそんな事をッ!!けど、お前らが好き勝手にテロ活動して、王国が変わってくれたか?」


(…………)


 リーシャは、サウルの言葉に返す言葉が思いつかない。何故なら自分達がテロ行為をしても、王国は変わるどころか、民族支配を強化し、今でも少数民族達を弾圧し、さらには反対派の人間を捕らえ、処刑している。自分達がやっている事に意味は………。


「だからだよ、お前らのやっている事は、さらに状況を悪化させているだけだッ!!」


「それでも、私達はこの活動を続けるのッ!!その為なら自分が死ぬのは怖くないし、これまで死んでいった仲間達の為に、無駄にはしたくないッ!!」


「バカ野郎が、そんな事をしたって親父やオフクロ、それだけじゃない、無くなった故郷の人達が浮かばれると思うのかッ!!」


 兄さんなら、兄妹なら分かってくれると思ったのに………。と、残念な様子で肩を落とし、サウルのセリフにリーシャはタメ息を吐き、そして口を開く………。


「意見は違えたわね?………なら、兄さんは敵よッ!!」


 リーシャは尺杖を構え、攻撃を仕掛ける。


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