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第105話 召喚少女との戦い




───ッ!!


 軽やかなスピードでダッシュし、ギラリと牙をさらした赤の獅子は咆哮を響かせ、アレックスに襲いかかる。


 ダメだ、この体勢で反撃行動をすれば………。


「くっ!!」


 アレックスは冷や汗を額から流し、赤の獅子の牙撃をギリギリの距離で察知して左側に跳んで回避。早い………少しでも判断が遅ければ喰い殺されていただろう。


 同時に体勢を整え、ロングソードを構え直すアレックス。


───ッ!!


 次は青の獅子。体勢を整えたアレックスの正面から襲いかかり、ギラリと鋭い牙をさらす。ヤバい、この体勢では回避行動が………間に合わない。


 デビッドは杖を回し、詠唱。


「炎の爆撃フレア・バーストッ!!」


 デビッドは空中に詠唱陣を描き、炎の光線を放ってダメージを与える。青の獅子は炎撃で全身に炎を燃え盛らせ、後退。そしてデビッドに視線を獲物を狙う瞳を光らせ、定める。

  

 すると、漆黒のコートの少女は尺杖を片手でクルクルと回し、デビッドに狙いを定め、攻撃を仕掛ける。


「召喚獣に気を取られてる場合かっ!!」


 漆黒のコートの少女は尺杖を振るう。

  

───すると………。


「踏み込みが、甘いッ!!」


 ロメロは瞬足のスピードでデビッドの前に移動し、右拳を伸ばして少女に拳撃を与える。ロメロが放つ1発の拳撃により、10発の拳撃を与える事が可能であり、10発の拳撃が少女にヒット。


「なかなかやるじゃない?」


 漆黒のコートの少女は尺杖を構え、サウルの拳撃をガード。ロメロの10発の拳撃により、弾き飛ばされるように跳び下がる。少し身体にダメージを貰ったが、フラつきながら体勢を整える。



───そして2体の召喚獣は少女の左右の位置に戻り、体勢を整える。

 

「お前は何の為に俺達と戦う?」


 アレックスは尋ねる。


「何の為に?………。民族支配を実施し、東側に軍を集中して戦争準備する王国、古代民族達が築いてきた歴史や伝統、宗教を踏みにじり、遺跡と自然、故郷を破壊するギルドが………だから私は戦うッ!!」


 漆黒のコートの少女は怒りの主張。


──少女の主張に、皆は言葉を失う。

 何故なら実際、依頼やそれ以外、遺跡や自然を破壊する冒険者は後を絶たない。娯楽目的や領地拡大、資源確保により原住民族を弾圧、もしくは排除、虐殺を非合法に協力する悪徳冒険者も実在している。


 さらに少女は口を開く………。


「許せないんだよ、自分達は関係ないって呑気に活動しているアンタ達が、考えた事はあるのか?突然、村に王国の兵士達が来て、村の人達は一方的に連れて行かれて、両親を引き離されて、私と兄さんは離れ離れになって………」


 少女は拳を握り締め、王国が実施している民族支配政策に怒りをにじませる。


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