第104話 とある広間にて、謎の少女
───遺跡の広間。かつては礼拝堂にて、アレックスとデビッド、ロメロは戦闘中であった………。
「ハァ………ハァ………」
アレックスはロングソードを構え、苦しい状況の為、額からは汗を流して息を切らしていた。
デビッドは杖を構え、詠唱の体勢。
ロメロは両拳を構え、いつもはフザけた様子とは裏腹に真剣な表情を浮かべる。自慢の執事スーツは乱れ、激戦を物語る。
目の前の相手に3人は苦戦、反民族支配主義である漆黒のコートを着用した低身長の人物。
得物は尺杖、表情を隠しているフードからハミ出ているサラリとした茶髪、容姿は10代前半、15歳には達していない。左側には赤毛を炎のように逆立たせた獅子、右側には青毛を青い炎のように逆立たせた獅子が前屈みの体勢でグルグル………と、血に飢えた声を響かせ、唸る。
3人がこの場所で休憩していた所、いきなり襲撃を仕掛け、戦闘になった………。
「アタシの召喚獣を相手に、よく持ち堪えているわねアナタ達………」
漆黒のコートの人物は尺杖をクルクルと構え、上から目線のセリフ。口調振りでは女性である事を確認が頷ける………。2体の獅子は、少女が召喚により、出現させた召喚獣である。
「言ってくれるぜ、このガキ」
アレックスは不敵に息を巻き、ロングソードを構える。
「あまり大人を舐めない方が良いですよ、お嬢さん………」
デビッドはキリッとした表情を浮かべ、威圧。
「テロ組織なら、子供でも容赦はしません。打ち倒して泣かしますよ、アレックスさんが………」
ロメロはアレックスに………。
「おい?」
するとデビッドが………。
「お得意のお尻ペンペンですね、アレックスさん?」
デビッドはクスクスと表情を浮かべ、アレックスに面白半分で視線を向ける。
「イチイチ俺に話を振るな、いつから俺はお尻ペンペンが得意になった?」
アレックスはツッコみ、尋ねる。
「それはもうアレックスさんが生まれた時から今日に至るまで………お尻ペンペンを愛し、お尻ペンペンに愛されし者として………」
デビッドは誇らしげに語り、まるでカリスマ性のある宣教師のような主張。
「こんな時に変な冗談を言うんじゃねぇッ!!俺がお前らと同じ変な奴に思われるじゃねぇかッ!!」
デビッドの冗談にツッコむアレックス。
「アレックスさんのムキになってツッコむ所、おもしろいからです。そうですね、ロメロさん?」
「はい、ラブ・ハラスメントです」
ロメロは言った。
「そうです、ラブ・ハラスメントですっ」
デビッドも続けて主張。
「お 前 ら い い か げ ん に し ろ よっ!!」
アレックスは2人に対し、怒りのツッコミ。
(……………)
漆黒のコートを着用した少女は困惑。コイツら、緊張感がないのか………。




