第103話 イチャイチャ復活のミリア
モンスターを撃破した後、しばらく遺跡の通路を歩いていた。アレックス達はどこにいるのか、仲間なので放っておくわけにはいかない。
───ハァ…………。
アンゼシカ(真美)は溜め息を吐き、少々困惑していた。何故ならウキウキした様子でミリアが私(真美)の腕を組み、デレデレしている。
(まぁ、怯えているよりはマシかな………)
アンゼシカ(真美)は納得。今はDによる暴走の予兆すら見えない。彼女いわく、ピンチにならないと声は聞こえないらしく、今は大丈夫みたいだ。
「マスク・ド・a様ぁ〜~~」
ミリアはデレデレした様子。背後からアンゼシカ(真美)に抱きついて乳房をワシワシと揉んでいる。
「まったく。君は何でそんなにイチャイチャしてくる?まぁ、いつもの君に戻ってくれて私は嬉しいけどね………」
アンゼシカ(真美)は少し顔を赤くし、冷静な様子で咳払い。もう溺愛してきても、冷静に対応できる自信はある。てゆーうかもう、慣れた。
「だって、マスク・ド・a様の胸、揉み心地がいいんですよ。温かいし、柔らかいし、思わず触りたくなるんですぅ~~~」
ミリアは幸せな様子で言った。
「君はオヤジか………」
アンゼシカ(真美)は困惑。何か、前世で生きていた頃、親しい後輩に似ている。そう言えば、高校を卒業した後は地元を出て、結婚したらしい。彼女は元気でやっているか、少しは気になる所だ……。
(この音、振動は……………)
いつものノリでイチャイチャするミリア、恥ずかしく困惑するアンゼシカ(真美)の様子を無視し、サウルは両手を両耳に当て、耳をすませる。
ここから右側に曲った先、その次は階段を降りた先………その先の広間、誰かが戦闘している。僅かに響き渡る音、その証拠に壁や天井からパラパラと粉塵が発生している。
察知し、サウルは口を真剣な様子で開く………。
「お2人さん、イチャイチャするのは良いが、今から集中するぞ」
サウルは切り替え、走る。
「分かったんですね?アレックスさんがいる場所が?」
ミリアはアンゼシカ(真美)をスッと解放し、サウルの後を走る。
(やっと解放された………)
アンゼシカ(真美)はミリアに解放されて、ホッとひと安心。少し余韻に浸った後、私もサウルとミリアの後を追いかける。
「アイツらだって事は確信はないが、僅かに音や振動を感じてな………恐らく、誰かが何かと戦っているんだろう?」
サウルは走りながら言った。自身は盗賊だから耳は良く、嗅覚は良い方だ。




