第101話 仲間を捜索
広間を後にし、3人は通路を歩いていた。後は遺跡を抜け、依頼品をギルドに納品するだけだ。
「とりあえず、目的は達成だな………」
バッグから(魔の宝玉)を取り出し、サウルは依頼品を眺める。(魔の宝玉)は先程までサウルを操っていた不気味な光とは裏腹に、高貴な輝きを放っている。
「後は皆と合流するだけのようだね」
アンゼシカ(真美)は言う。
「アイツらの事だから、大丈夫だと思うけどな………まぁ、トレジャーミッションは、宝を採掘するより、はぐれた仲間と合流するのが難しいからな………」
サウルは言った。昔、仲間とはぐれた時、色々な事を経験した。ある者は勝手に帰ったり、ある者はモンスターに殺されていたり、ある者はトラップに引っ掛かって死んでいたり、またある者は依頼品を独り占めしようと、他の仲間達を皆殺しにしていたり………。
恐らく、アイツらはトレジャーミッションは初めて、変な場所を歩き回っているんだな………。変なトラブルに掛かってなかったら良いが………。
(…………)
ミリアは黙る………。右腕を上げて眺める。右手首には赤黒い紋章が不気味に浮かび上がる。
「ミリアさん?」
「………はい?」
アンゼシカ(真美)の問に、ミリアは右手首の紋章をスッと隠し、反応。
「身体は大丈夫かい?」
と、アンゼシカ(真美)は尋ねる。何故なら今はそれしか言えない。
「大丈夫です、サウルさんの回復薬を飲んだら、回復しました」
ミリアは元気に言った。
「そうかい……」
アンゼシカ(真美)は納得がいかない表情。そして思う、これは隠し事をしている空気である事を………。
しかし無理もない。人間、自身が抱えている不安や恐怖、様々な思惑は無理してでも隠したくなるものである。もし、自身がミリアの立場なら同じ事をしていただろう。
会話が思うように盛り上がらず、沈黙。先程まで壮絶な戦いがあった為、皆は喋る気もならない。
しばらく歩いていて間が開き………少し沈黙した後にアンゼシカ(真美)は再び口を開く。
「ミリアさん………」
「はい?」
アンゼシカ(真美)はさらに口を開く………。
「………絶対に大丈夫だから」
アンゼシカ(真美)は言った。根拠は、レオナルド・ミア・シュバルツの光の玉イベントがある。そのイベントを迎えたら、Dを引き出す事が出来る。本当の事を伝えたら混乱して滅茶苦茶になり、物語上ややこしい事になる。そこはあえて、本当の事は触れない程度、大丈夫だよと………と、伝えるしかない。
後は出口を目指しつつ、仲間達を捜索するのである………。しかし、ミリアが変身したアレ。ゲームの設定上、まずはない。おそらく私がこの物語を独自に動いた為、設定が滅茶苦茶になった。




