第100話 誘(いざな)いに怯えるミリア
「アンゼシカお姉様ッ!!」
ミリアは意識を取り戻し、思わずアンゼシカの名前を口に出し、飛び起きる………。ミリアが飛び起きた事で皆は数秒間、沈黙した雰囲気が漂う。
「あれ………私は?」
ミリアは辺りを眺め、フワフワと寝ボケた様子。寝起きのような感覚、あれから数十分間は気を失っていた。
「ミリアさん………」
アンゼシカ(真美)は心配な様子で伺う。まるで体調不良を心配する親の立場、ミリアは何故か前世で生きていた頃の後輩に似ている。
するとミリアは徐々に気持ちが整理され、口を開くのである………。
「マスク・ド・a様?………私、サウルさんが操られて助けようとして、それで私が………」
ミリアはその先、何があったのか………と、口に出して説明しようとした。しかし………ピリっとした背筋に冷たい感覚が行き渡り、無限のD(インフィニティD)の声、アンゼシカ・ヨハーソンとの思い出がグルグルと入れ交じり、混沌とした記憶に恐怖し、頭を両手で押さえて抱え込む。
「ミリアさん、大丈夫だよ………ホラ、私を見て………」
アンゼシカ(真美)はミリアを両手で優しく抱き締め、頭を撫でる。
「私は………私は………」
ミリアはガクガクと震える。Dの誘いの声に自分が支配されてしまうかも知れないと言う恐怖に………。
───それから………ミリアはアンゼシカ(真美)に抱きついている。ただ何も喋らず、ガタガタと身体を震わせる。いつもの溺愛癖とは違ってどこか怯えた感じである。
アンゼシカ(真美)は抱きついてくるミリアの頭をポンポンと撫で、落ち着かせるのである。
「あのさ、マスク・ド・aと言ったか?少し良いか?」
サウルは目的の(魔の宝玉)をバッグに入れ、申し訳無い様子で頭をボリボリと掻いて2人の前に歩み寄る………。(魔の宝玉)は光を失い、能力を失っている為、今はただの宝石である。
「はい、大丈夫です?」
アンゼシカ(真美)はサウルに視線を移し、了解。
サウルは頭を下げ、口を開く。
「その………さっきはアンタの事を疑ったりしてすまなかった」
サウルは誠意を込めて謝る。
「いえいえ、私は気にしてませんよ。サウルさんも、身体の方は、大丈夫ですか?」
アンゼシカ(真美)は親身な姿勢で尋ねる。
「ああ………大丈夫。あの、つまらない物だが、これをミリアに………」
サウルは視線をズラし、バッグから回復薬のビンを2人の前に差し出す。
「ああ………ありがとうございます」
アンゼシカ(真美)はサウルの地味な所に困惑しつつ、回復薬のビンを受け取る。そう言えば、サウルは女性に自ら話しかけるのは得意だが、逆に話しかけられるのは苦手だった。
しかし………このシーンはまず、異形化したサウルをミリアが戦い、体力が消費したサウルが元の姿に戻る流れだ。だが、マスク・ド・aとミリアの無限のD(インフィニティD)の追加により、異形化したサウルの戦闘力が変更されている。
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